【新連載】ココロとカラダを繋げる ボディコンシャストレーニング

| 大久保圭祐

 

「意識すること」でトレーニングが変わった!

こんなことを書いている私自身、以前は上半身に筋肉を付けたくて腕立て伏せに熱中した時期がありました。日に日に一度に出来る回数が増え、筋肉が付いてきたのを実感して嬉しかったのをよく覚えています。ところが、ある時から腕立て伏せをすると頭が割れそうな痛みが起きたり、ひどい顔の左右差が生まれてしまいました

トレーニング中の呼吸の仕方、トレーニングフォーム、休息の取り方に気を付けてみても解決せず、結局、腕立て伏せを断念しました。

再び安心して腕立て伏せに取り組むようになったのは、ボディワークを学んだ後です。今では腕立て伏せをしても頭が痛くなったり、顔の左右差がひどくなってしまうことはありませんでした。

どうして問題なく再び腕立て伏せが出来るようになったのか? その違いは、トレーニング中に鍛える筋肉とは関係のない筋肉を僅かに緊張させてしまう自分のクセに気がついたからです。そこで私が行ったのは、そのクセを生まないように無理に動かそうとするのではなく、体の内側に些細な“意識”を向けたことです

“何かするのではなく意識を向けるだけで体は自然に整う”

これはボディーワークでよく言われることですが、本当にそれだけで腕立て伏せをはじめ、それまで行ってきたトレーニングが変わりました

それ以来、トレーニングに行き詰まった際には、ボディワークの基本に戻り、感じる力の大切さに気付かされました

ここで誤解して欲しくないのは、私は筋力トレーニングを否定したり、科学的に証明された結果やエビデンスがある情報を否定したりしていません。それを指標にすることはとっても大切ですし、運動処方を行う時にとっても頼りになります。

私自身、新しく研究結果として出た情報は興味津々です。しかし、それに頼り過ぎてしまって主体性が失われてしまうことは、トレーニングの可能性を狭めてしまっているように感じるのです

多くの場合、トレーニングはより高い負荷を求めて進みますが、負荷を上げて刺激を強くするだけでなく、同時に、負荷を受け止める“自分自身の身体感覚”を高めることが重要なのです。

同じ負荷でもその受け止め方、つまり自分の意識を変えることで、トレーニングで得られる刺激をしっかりと拾い上げることが出来れば、より安全で高い効果に繋げられます

実際、トレーニングを続けていく中で、新しい刺激を求めて負荷を増やしたり、刺激を強くしたりすることは現実的に限界があります。また、身体への負担や不調に繋がるリスクが高まります。

だからこそ無理に負荷を上げることで刺激を強くしたり、新しい刺激を求めて流行のトレーニングに振り回されるのではなく“自分の身体の内側の感覚を向上させてトレーニングを行うことが重要”だと感じています

それには、私がボディワーク・ロルフィングを通して得た「感じること」が大切です。

第2回では、感じる力を向上させるキーとなる“意識”をボディワーク的に探求していきたいと思います。

(第1回 了)

 

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–Profile–

大久保さん

大久保圭祐(Keisuke Okubo)
パーソナルトレーナー、ロルファー™️。大学在学中にキックボクシング部の主将として活躍、プロライセンスも取得する。卒業後はいったん食品系専門商社に勤務するが身体への関心を捨てきれず、パーソナルトレーナーの道を選ぶ。過去の運動や減量経験などを活かしたボディメイクの指導者をするなかで、ボディワークの“Rolfing®”に興味を持ち、渡米してRolf Institute®を卒業する。現在は、各種メディアや店舗にてエクササイズの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。
著者『筋膜ボディセラピー(三栄書房)』

Web site 大久保圭祐公式サイト