連載 タッチの力10 岩吉新・前編「神経系からみる“タッチング”」

| 岩吉新

日本には「タッチ=触れる、触れられる」の機会が少ない。そんな思いから、日本のタッチ研究の第一人者である山口創先生(桜美林大学教授)をはじめ、セラピストの有志が集い「日本タッチ協会」の設立を準備中です。

その一環として行われている、タッチのスペシャリストたちによるワークショップ(通称:タッチ協会山口ゼミ)の模様をお伝えしていきます。

三人目は岩吉新さん(田園調布 neuro relax オーナーセラピスト)。今回は、タッチング=触れるということを、「神経系」はどのように感じ、どのようなメカニズムが働いているかを、2回に分けてお届けします。前編は、後編ともにわかりやすい図解満載です。

 

連載・タッチの力10

岩吉新・前編
「神経系からみる“タッチング”」

語り・スライド提供岩吉新/ニューロリラックス
写真・動画コ2編集部(☆)

岩吉新さん(☆)
岩吉新さん(☆)

 

コ2編集部(以下、コ2) 岩吉さんは「操体法[編注:医師である橋本敬三氏が創始したもので、“気持ちいい方に”からだを動かし、脱力することで不快感覚などをとる手技療法]」を学んだのち、触れることで神経系で何が起きているか? に興味をもたれ、現在は「ニューロリラックス」という施術を開発されています。

今回は、気になっているのによく知らない、“神経”について、2回に分けてたっぷりお話いただきます。

岩吉新(以下、岩吉) この講義中に「神経」って何回いうか、試しに数えてみてください(笑)。筋肉や骨といった肉眼で見える組織も大切なのですが、細かくて見えないものの働きに、もっと注目してもいいのではと思っています。それが僕の場合は「神経系」にあたります。では、始めていきますね。

 

身体感覚の不思議に目覚めた頃

まず、僕が今の“触業(しょくぎょう)に就くまで”をお話ししますと…様々な変遷があるのですが、“皮膚の不思議”が気になりだしたことが、今の「ニューロリラックス」という施術につながっています。

はじめは、からだのこととはまったく関係ない、音楽畑にいました。最初は弾き語りで途中でバンドも組んで、ボーカル、作詞作曲、ドラムにベース、ギターもやって。シースルーの衣装も着たりするようなバンドをやってました(笑)。

歌っているときに、自分がだした音がはね返って戻ってくる時の感覚が不思議で。聴覚が刺激されているはずなのに、色とか、時には部屋の温度や、空間の広さの認識までも変化する。

音の響きで皮膚感覚まで変わるあの感じを、「なんだろう?」とずっと不思議に思ってました。

その後、今度はからだを使うことにはまって、ボクシングをはじめました。

でも“筋肉を鍛えた者が強い”という雰囲気に違和感があって、合気道、居合い、杖道、剣術系といった、武術に移行していきました。

その時に「“からだのどこに意識をおくかによって、相手が倒れたり、倒れなかったりする”経験をしたんです。

イメージ次第で相手が変わる、自分も変わる。身体感覚の不思議に目覚めたんです。

合気道の大会での岩吉さん。武道館にて
合気道の大会での岩吉さん。武道館にて

 

そのあと、ヨガやピラティスのインストラクターの採用や、店舗のマネージメントをする会社に勤務していたのですが、自分で直接、クライアントの健康に関わる仕事をしたくなりました。そして自身が様々な手技療法を受けることで、自分に向くものを探していったんです。そのなかで出会ったのが「操体法」です。

 

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–Profile–

岩吉新
岩吉 新(Shin Iwayoshi
フィットネス業界のマネージャー職や、趣味で行なっていた合気道などの武道を通して、人の身体を健康にする仕事を行いたいと思い、様々な手技療法を受ける。気持ちよさで身体のバランスが整うという操体法に出会い、創始者の内弟子の先生から、身体や皮膚の感覚と技術を基礎から応用まで学ぶ。東京田園調布に「neuro relax」を開業。その後、カナダの女性理学療法士が開発したデルモニューロモジューレティングを知り、開発者とコンタクトを取り最新の神経科学を学ぶ。その後、2017年に「デルモニューロモジュレーティング日本語版」の制作&翻訳を担当し出版。また2018年には「操体法を神経科学から読み解く」を執筆し出版する。

著者『デルモニューロモジュレーティング日本語版

操体法を神経科学から読み解く

Web site 岩吉新公式サイト「ニューロリラックス」