コ2【kotsu】特別インタビュー 韓競辰導師に訊く「力」と「勁」 第一回

| コ2【kotsu】編集部

 

 これはとても分かりやすいですね、今持っている条件・技能・力をできるだけよく練って最大化したいという方向「もっと強くなりたい」「もっと速くなりたい」「どうすればもっと強く速くなれるのか?」と。

昔から「力」の運動というのはこうした方向性で進み、最終的には“より上手に効率よく何かを行う”という「力の技能化」が進みます。これが「力と技能の運動」の方向で、大体の運動は基本的にこうした構造を持っていると言えるでしょう。

これに対して原始的な自然本来の姿Cがあるとします。この時、AとCの関係はどうなっているでしょう? Aが持っている客観的な条件が常にAとBの関係にある故に、純粋な自然とは言えません。

もはや純粋な自然ではなくなっているAからBの過程を追求している私たち現代人が、如何にして伝統的な自然観AからCに向かえば良いかと言うと「素朴な真に帰る」という言葉で古人は表現をされています。

これを今の言葉で説明しますと、還元の作業、元に戻るという意味です

AからCへ向かう方向性とは私たちの原始的な姿、自然本来の姿へ戻っていく過程の話です。

先程から話している「勁」とは、この原始の時代からある「自然本能の運動」のことなのです。

「力」と「勁」、一つは最大化の道、もう一つ元に戻る還元の道なわけですから、このふたつの道は絶対に交わることはないわけです。

私自身「何が勁か? 力とは何か? どこが違うのか?」と、そういうことを何十年も研究してきましたが、これが今の段階で私の出した最終的な結論です。

私自身も以前はこうした回答というものはなかったのですが、私個人の研究の結果としてこうした結論に達しました。

ですからもしこのことを書くのであれば、「韓競辰が研究した結果である」ということを必ず書いた上で説明してください

コ2 わかりました。

 あなたを信頼した上でこうしたお話をしています。実は私はこの研究結果をまだどこにも公開していません。ですから一般に向けては今回が初めてです。ですから必ずこれは「韓競辰の研究の結果である」と示すことを忘れないでください。よろしく御願いします。

(第一回 了)

 

2017年韓老師

韓競辰導師、来日講習会情報

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–Profile–

国際韓氏意拳総会会長 韓氏意拳創始人 韓競辰導師
韓星橋先師の四男で、きわめて明晰な拳学理論と、卓越した実力の持ち主。現在韓家に伝わる意拳の指導に力を注ぎ、意拳の更なる進歩発展のために努められている。
国際韓氏意拳総会会長。(日本韓氏意拳学会 Web Siteより)

Web site 日本韓氏意拳学会