システマ随想 第八回 「ミカエル・リャブコインタビュー in ロシア 02」

| 北川貴英

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ロシアン武術「システマ」の公認インストラクターである、北川貴英氏が書き下ろしで語る、私的なシステマについての備忘録。第八回目の今回は、前回に引き続きシステマ創始者ミカエルのインタビューをお届けします。今回はこれまでお話を伺う機会がなかったミカエルのご家族から道場破りまで、奥様のラリッサさんを交えてお話しを伺っています。

システマ随想

第八回 「二つの家族と道場破り」

インタビュアー・文北川貴英
通訳松本陽子

 

ラリッサ夫人との出会いと結婚生活

─今回のインタビューの目的は、システマとファミリーについて。この2つについて伺いたいと思っています。ですから今回はミカエルと奥様のラリッサさんのお二人の視点から話を聞きたいなと思っています。

ミカエル だったら、ラリッサが話したら良いですよ。彼女のほうが記憶力が良いのでよく覚えていますから。私はすぐ忘れちゃうんですけどね(笑)。私が忘れても、ラリッサが覚えている。こういう感じで私たちはいつも補い合っています。ラリッサが料理をして、私が食べる。彼女が洗濯をしてアイロンをかけて、僕が着る。こういうふうに家族が構成されています(笑)

ラリッサ夫人
快くインタビューに応えて頂けたラリッサ夫人。

 

─二人はいつ頃、どんな風に出会ったのでしょう?

ミカエル 31年前です。12月28日にエストニアのタリンに行ったんです。一緒に行ったのではなく、たまたま同じ旅行のグループに居合わせたんですよ。ホテルにチェックインしたら、レセプションの所にとてもきれいな女性が立っていたのです。
今よりほんのちょっとだけきれいで、服のサイズが小さかったですね。それで近づいて「お近づきになりませんか」とお誘いした。

─ラリッサはその時、ミカエルにどんな印象を抱きましたか?

ラリッサ ニコニコした明るい好青年が近寄ってきて、「君たちも僕たちと一緒のグループ? だったらちょっと仲良くなりませんか?」と言ってきたのです。それで「いいですよ、知り合いになりましょう」と答えました。

ミカエル そうやって私を誘惑した(笑)。

ラリッサ 冗談よ。バカなこと言わないで(笑)。タリンには買い物をしにいっただけで、誰かとの出会いを期待していたわけではありませんでした。それが私たちの出会いですね。

 

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–Profile–

北川貴英(Takahide Kitagawa
08年、モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより日本人2人目の公式システマインストラクターとして認可。システマ東京クラスや各地のカルチャーセンターなどを中心に年間400コマ以上を担当している。クラスには幼児から高齢者まで幅広く参加。防衛大学課外授業、公立小学校など公的機関での指導実績も有るほか、テレビや雑誌などを通じて広くシステマを紹介している。

著書

「システマ入門(BABジャパン)」、「最強の呼吸法(マガジンハウス)」
「最強のリラックス(マガジンハウス)」
「逆境に強い心のつくり方ーシステマ超入門ー(PHP文庫)」
「人はなぜ突然怒りだすのか?(イースト新書)」
「システマ・ストライク(日貿出版社)」
「システマ・ボディーワーク(BABジャパン)」
「ストレスに負けない最高の呼吸術(エムオンエンタテイメント)」
「システマ・フットワーク」(日貿出版社)

監修

「Dr.クロワッサン 呼吸を変えるとカラダの不調が治る(マガジンハウス)」
「人生は楽しいかい?(夜間飛行)」

DVD

「システマ入門Vol.1,2(BABジャパン)」
「システマブリージング超入門(BABジャパン)」

web site:「システマ東京公式サイト