ロビンソンは、CACCの他にも高校だか中学だかの時、YMCAでフリースタイルのアマチュアレスリングも少しやったと言ってましたね。マンチェスター出身なんですが、地元にはアマチュアレスリングといっても、いくつかスタイルがあったらしくて。
イギリス全土でグレコローマンの他に、大きく分けて4個のローカルなレスリングスタイルがあったそうで、
- 「カンバーランド・ウエストモーランド・スタイル」(スコットランドの山岳地帯で盛んになった互いにクラッチした状態でスタートするレスリング)
- 「コーニッシュ・スタイル」(上半身にジャケットを着用する日本の柔道に似たレスリング)
- 「デボンジャー・スタイル」(英国南西部のデボンで古くからあるスタイル。組み合う過程で相手の下半身を蹴ることが認められる)
そして、最もシンプルでピンフォールの他にサブミッションで相手を降参させる、
- 「ランカシャー・スタイル」
つまりCACCですね。
クラッチしたまま倒し合うものは、手を離しても負けで、これは練習でもやりましたよ。どうしても倒す時に手を離しちゃうんですけど。でもおかげでクラッチしたまま投げる技術は上手くなりましたね。握力も強くなりますし。あとYMCAではレスリングの他に、ラグビーもかなり好きでやっていたみたいですね。「コンディショントレーニングとしていいぞ」と言ってましたし、スーパーボウルとかを見るのも好きでした。日本にいた時も、ラグビーや相撲観戦に行ってましたよ。
それとボクシング。お父さんがハリー・ロビンソンというリングネームで地元のチャンピオンだったそうです。そのお父さんのことを尊敬して始めたらしいです。でもロビンソンが青果店でバイトをしている時に、近くで遊んでた友達の投げたブリキの看板が目に当たって、後遺症の残る怪我をしちゃったんです。それで「ボクシングは諦めろ」とお父さんに説得されたこともあって、同時期に始めたレスリングをやることにしたそうです。レスリングなら掴めばなんとかなるじゃないですか。
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