連載 タッチの力10 岩吉新・前編「神経系からみる“タッチング”」

| 岩吉新

 

操体法の「揺らし」のデモ

操体法に「揺らし」という手法がありまして—クライアントのからだにタッチして、揺らしたりする(このあと動画で紹介します)—、“揺らしっぱなし”のやり方をとる先生もいれば、“揺らして止める”やり方をとる先生もいらっしゃいます。

僕は後者の“揺らして止める”やり方の先生に習ったんですけれども、どちらの手法も、“揺らすこと”で、神経の周りの組織、筋肉とか筋膜、骨格組織など、すべてを緩ませられるといわれています。

でも「神経系」に着目する僕の視点からすると、“揺らしたあと”に起きることの方が重要です。

「揺らして→止める」というように、動きが段階的に変わることで、脳が“運動錯覚”を起こし、その刺激でからだが変化すると考えています。

運動錯覚とは、脳の錯覚により揺らされた手足などが伸びているように感じることで、皮膚の伸展でも起きます(これは後編で解説しますね)。

操体法は、快適感覚を通して、中枢神経に働きかける。

このように僕は“脳”を、反応や感覚の中枢だと考えています。ではここで「揺らし」のデモもしておきましょう。

☆動画2:操体法「足指のゆらし」のデモンストレーション

 

神経系とは何でしょう?

ではいよいよ、「神経系とは」についてお話ししていきます。「スライド1」をみてください。

【スライド1:神経系とは?】

スライド1:神経系とは?

神経系は、イメージとしては樹を逆さまにしたようなもの。脳が根っこ、脊髄が木の幹です。

さらに末梢神経(運動神経と感覚神経)もありますけれども、これが枝のように、全身の末端に向けて伸びている。

自律神経(交感神経と副交感神経)は、神経の末端に内臓がついていたりするので、実のついている枝のようなものです。

さっきお話しした、皮膚感覚を司る皮神経は……末端が感覚受容器になっているんですね。これは葉のようなもの。CT繊維などは、枝そのもの。

こんな感じで、樹の幹に枝、葉、実と細かく分散して、からだ全体に張り巡らされています。

 

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–Profile–

岩吉新
岩吉 新(Shin Iwayoshi
フィットネス業界のマネージャー職や、趣味で行なっていた合気道などの武道を通して、人の身体を健康にする仕事を行いたいと思い、様々な手技療法を受ける。気持ちよさで身体のバランスが整うという操体法に出会い、創始者の内弟子の先生から、身体や皮膚の感覚と技術を基礎から応用まで学ぶ。東京田園調布に「neuro relax」を開業。その後、カナダの女性理学療法士が開発したデルモニューロモジューレティングを知り、開発者とコンタクトを取り最新の神経科学を学ぶ。その後、2017年に「デルモニューロモジュレーティング日本語版」の制作&翻訳を担当し出版。また2018年には「操体法を神経科学から読み解く」を執筆し出版する。

著者『デルモニューロモジュレーティング日本語版

操体法を神経科学から読み解く

Web site 岩吉新公式サイト「ニューロリラックス」