コ2【kotsu】インフォメーション
「ピンフォールという完全決着の魅力」
対談 中井祐樹×鈴木秀樹から見えてきた新たな潮流
文・写真●コ2編集部
協力●朝日カルチャーセンター新宿
格闘技界のレジェンド・中井祐樹氏とビル・ロビンソン氏のもとでキャッチ アズ キャッチ キャンを学び、現在プロのリングで活躍中の鈴木秀樹選手との対談が、去る4月18日、東京・朝日カルチャー新宿で行われた。
「対談【中井祐樹×鈴木秀樹】なぜ僕らはプロレスラーを夢見たのか?」と題された対談は、中井氏の故郷・北海道時代の熱い全日本プロレス愛と格闘家・中井祐樹の原点としてのプロレスから始まり、アメリカのカレッジレスリングと日本のレスリングの違いと、それが現在の総合格闘技を語る上で必須の要素であることを説明、さらにオリンピック競技に向けて特化している日本のレスリング界や選手が学ぶべき原点として、1月に鈴木選手が著した『キャッチ アズ キャッチ キャン入門』を指し「一家に一冊持つべき本!」と紹介した。鈴木選手は「僕自身はロビンソン先生に「キャッチ アズ キャッチ キャン」と説明されたことはなく、「レスリング」として教わっていました」と、改めてCACCが今日のように競技化が進む前のレスリングであることが語られた。

また、完全決着としてのピンフォールの再評価と、その視点があるいは柔術といまのレスリングで見失われつつある要素を補完できるのではないかというお話は進み、現在、鈴木選手がコ2のインタビューでも語っているCACCの競技化について期待が寄せられた。
対談の最後に鈴木選手は「(対談の)タイトルの「プロレスラーを夢見たのか?」という部分で言うと、僕は夢見たことはありません(笑)。普通に月謝を払う会員としてロビンソン先生にレスリングを教わって、なんとなくデビューしたので(笑)。それはやっぱり(CACCが)楽しくて面白かったからだと思います。だから、まだどうなるか全然分からないのですが、CACCの教室や大会についてもできるなら沢山の人が楽しめるものにしたいですね」と語り対談を締めくくった。
当日の模様は改めてコ2でレポートとして紹介する予定ですのでお楽しみに!

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–Profile–
●中井 祐樹 (Yuki Nakai)
なかい・ゆうき/本名同じ。ブラジリアン柔術家、元総合格闘家。 1970 年、北海道石狩市(旧・浜益村)生まれ。北海道大学法学 部中退。札幌北高校ではレスリング部だったが、北海道大学で 寝技中心の七帝柔道に出会い転向。七帝戦で北大を 12 年ぶりの 優勝に導き、4 年生の夏に大学中退。上京してプロシューティン グ(現在のプロ修斗)に入門、打撃技も身に付けて総合格闘家に。 1994 年、プロ修斗第 2 代ウェルター級王者に就き、1995 年のバー リトゥード・ジャパン・オープン 95 に最軽量の 71 キロで出場。 1 回戦のジェラルド・ゴルドー戦で右眼を失明しながら勝ち上が り、決勝でヒクソン・グレイシーと戦う。この時の右眼失明で 総合格闘技引退を余儀なくされたがブラジリアン柔術家として 復活。現在、日本ブラジリアン柔術連盟会長、パラエストラ東京代表。著書『バイタル柔術』(日本スポーツ出版社・絶版)、『希望の格闘技』(イースト・プレス刊)の他、『本当の強さとは何か』(中井祐樹・増田俊也 共著 新潮社刊)『VTJ 前夜の中井祐樹』(増田俊也著 イースト・プレス刊)などがある。
公式サイト http://www.paraestra.com/

