コ2【kotsu】新刊『システム感情片付け術』発刊記念、小笠原和葉さんIV 第一回

| コ2【kotsu】編集部

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コ2【kotsu】の連載「伊東昌美のもっと!保健体育」にも登場した、ボディーワーカーの小笠原和葉さんの著書『理系ボディーワーカーが教える“安心” システム感情片付け術』が、この程、日貿出版社より発刊されることになりました。

そこでコ2【kotsu】では著者の小笠原さんにインタビュー。
制作秘話伺いつつ、誰もが悩む、自分の感情の片付け方を紹介します。

新刊『システム感情片付け術』発刊記念

小笠原和葉さんインタビュー 第一回

語り小笠原和葉(ボディーワーカー・意識・感情システム研究家)
取材・構成コ2【kotsu】編集部

 

システム感情片付け術

 

途中からキーワードになった「トラウマワーク」

コ2【kotsu】編集部(以下、コ2) 『システム感情片付け術』、ようやく作業が終わりました。まず書き終えての感想はいかがですか?

小笠原 終わってみて……。今すぐ書き直したいところはいっぱいあります(笑)。「もっと時間があれば!」とも思うんだけど、あったらあっただけやりたいんだろうなとも思うので、そこはある程度あきらめるしかないかと(笑)。

講座中の小笠原和葉さん。(撮影・菅原ヒロシ氏)

 

コ2 多分一年後に出すことになっていても、同じ会話をしている気がします(笑)。

小笠原 結局、一週間前から始めるみたいな(笑)。

コ2 (笑)。それでも、書きたいことは書けたという感じはありますか?

小笠原 トラウマワークのソマティック(ソマティック・エクスペリエンス(Somatic Experiencing®)。米国のピーター・リヴァイン 博士が開発した、身体と神経系の統合をベースにした、安全で自然なトラウマ(心的外傷)療法 以上、()内を除く日本ソマティック・エクスペリエンス協会の公式サイトより)のことを書きすぎて、ドキドキしてますね。私自身まだ勉強中ですので。

コ2 企画当初はトラウマワークはそれほどの大きなキーワードではなかった気がします。

小笠原 そうですね。全然キーワードじゃなくて、ここまで大きな存在になると思っていなかったので。

コ2 編集側としては昨年の夏くらいから、打ち合わせのなかでもトラウマワークが巨大な感じになったというイメージですね。

小笠原 カラダとココロをつないでいるということについて、今までいろんな入口から、いろんなパーツからくみ上げてきた自分の骨格みたいなのがあったんですけど、トラウマワークを学ぶことで神経やカラダのシステムの中でどうやってつながっているか、という詳細な地図が出てきて。その視点から考えると色々な裏付けにもなったし、説明がしやすいんですよね。

ただ私自身は、まだ3年のうちの1年目を学び終わったあたりのところで、トラウマワークの全体像を知っているとは言えないです。なんとなくいままで思っていたことが、ちょっと別の言葉で裏付けが取れたくらいで。でも、すごいおもしろいですね。

コ2 去年一年間の小笠原さんの中での変化が、そのまま本に表れている気がします。

小笠原 そうですね。また本を意識してPBM(PRESENCE BREAKTHROUGH METHOD 小笠原さんが創始したボディーワーク)の講座を主催するなかで、「皆にヒットする(効果がある)のがどこなんだろう?」と見ていくと、自分の中では常識になっていことが、意外に知らないことがどんどんわかってきました。

 

講座で求められている「日常性」

コ2 いま小笠原さんの講座の中で一番求められていることはなんでしょう?

小笠原 講座の内容を日常に持ち帰れることだと思います。それはPBMをやるようになってから強く意識するようになりました。
それまでは自分にとっての面白いカラダと意識の話を幾つかする感じで、その場では凄く喜んでもらえるんですけど、長い継続的な変化ということを考えたら、お話しすることをメソッドとしてうちに持って帰ってもらって、「どうやって使おうかな」というところまでをちゃんとフォローした方がいいだろうとなったんです。

コ2 それまではこの場で楽しいんだけど、うちに帰ったら「あれ、なんだっけ?」と雲消霧無するような感じだったわけですね。

小笠原 1回のお話会だったらそれでもいいし、私の中でもそれがモチベーションの中心だった時代は長いんです。ただ(PBMやクラニオ※の)セッションにしても、実際にセッションルームにいられる時間って、人生のなかでは本当に短いんですよね。そうした中で次までの継続的な変化を引き出すとなった時に、考えることとはまた別なんですね。つまり日常の中で継続して安全に変化していくということが大事だと。

※Craniosacral therapy 頭蓋仙骨療法、脳脊髄液の流れを整える事で、自然治癒力を高めカラダの自己調整を促すボディワーク。

コ2 今回の本に登場しているお話やエクササイズは、そうした中で見えてきたものだと言えるわけですね。

小笠原 そうですね。セッションルームでは個別にお伝えしていたようなことを中心に、ある程度、汎用性が高くてどんな人でも効果のあるものを紹介しています。その場で変化が経験できて、お家で行えるようなエクササイズですね。

コ2 やはり万人に伝えられるかどうかが大事ですからね。

小笠原 セッションルームでの経験で、自分で「すごいこれおもしろい」と思ってやってみても、意外にヒットしないワークもあるんですよ(笑)。逆に「こんな地味だけど、こんなに変化するんだ!」というのが本でも紹介している視野を広げるワークですね。

基本的にどれも呼吸にアプローチするわけですけど、大体、「呼吸」と言うと皆「呼吸法」みたいな感じで、緊張したまま呼吸に関わってしまうことが多いんですね。だけど視覚や感覚、聴覚といったものを糸口に呼吸にアプローチしていくと、緊張せずに総合的にいいことがいっぱい起こるわけです。

コ2 「呼吸法」と言ってしまうと、「頑張って呼吸しよう!」とかえって緊張してしまうのは分かります。

小笠原 そうなんですよ。正しい呼吸法を目指して、「これ、合ってるかな?」みたいな感じになってしまうので、そこを踏まないように、いろいろ試した結果、残っているのが本の中で紹介しているエクササイズたちですね。陰に外しているやつもいっぱいある(笑)。

コ2 デビューし損ねたエクササイズが沢山あるわけですね(笑)。

 

意識の研究で気が付いた「感情の巻き込む力」

コ2 それでは、今回の本のパート1「自分の感情なのに、どうしてうまく片付かないの?」から振り返っていきましょう。ここでは最初のステップとして、「感情に巻き込まれない」というキーワードが登場しますね。これもトラウマワークからの発想でしょうか?

書籍『システム感情片付け術』パート1より

 

小笠原 いえ、違います。私自身意識のことを3年ぐらいガリガリ研究していた時代があって、その時の発見ですね。

コ2 意識の研究というのはどんなことをされたのでしょう?

小笠原 心理という言い方もできるんですけど、心理という言葉で括ると、そこはもう学術体系がすごいソリッドで緻密すぎて、整合性はあるけど現実に使うというところになると、ちょっとやり過ぎになるんです。

コ2 現実から遠くなるわけですね。

小笠原 意識がどういうふうに作用するのかを研究する中で、カラダという実態のあるものに変化を与えるからには、意識は何かエネルギー的な実体、素粒子レベルのものがあるんじゃないかと思ったんですね。実際、そういう分野の研究というのもあって。

それでもともと理系の人間ですから、自分で納得できることをいろいろ探して、意識というものがどういう風に作用するのかを、ひとまとめにしたワークショップを2年くらい前にやってたんですよ。いま行っているPBMが始まる前は、「意識というエネルギーの力学」ってすごいオタクな感じの講座をやっていて(笑)。

コ2 それはまたマニアックな(笑)。

小笠原 すごく人が来てたんですよ、これが!(笑) 多分、「意識=エネルギー」というフレームで整理しなおした人がいなかった思うので人が集まってくれたんだと思います。
やっぱりカラダのことはカラダのこと、ココロのことはココロのこと、思考は現実のことで、感情は別問題みたいに扱っているんだけど、いろいろ考えると感情って意識の一つの形態なだけで、カラーが違うだけなんですね。

そのうえで、「それぞれがどういう特性をもっているかな?」と考えた時に、「感情というのはすごい巻き込む力の強い意識というエネルギー」という姿が見えてきたんです。

コ2 そう捉えるのが一番言いやすいと。

小笠原 現象を見るとそうなんです。思考に比べて感情の扱いが難しいって感じるポイントがどこかというと、距離を取るのが難しいことですね。だから、ほとんどの感情開放の第1段階は、「感情を手放す」とか「感情を眺める」とか、結局、感情と距離をとって、「私はこう感じているんだな、と客観的に思ってみましょう」と言われていて、確かにそうなんだけれど難しいのは……。

コ2 「わかっちゃいるけど感情に巻き込まれる」と。

小笠原 そう。その巻き込むというのが、そもそも感情が持っている基本的な性質で、だからこそそれに抗おうとするので大変なんですね。

コ2 意外にその「巻き込む」という感情が持っている基本的な性質をはっきりさせないまま色々やろうとして苦労している気もしますね。

小笠原 そうなんですよね。「感情の性質」みたいなもの。私はやっぱりものの見方がサイエンティストなので、物事の背後に「どういう普遍化できる原理があるか」とかという視点で見ていくんですね。
その時に、その人の考え方や個性、性格、育ちとかに結びつけられがちで。そうなると、その結びつきがより強固になってしまって、より感情から離れることが難しくなったり、学術的な袋小路に入って……。そもそも、育ちが原因だともうムリじゃないですか(笑)。

コ2 (笑)。実際は同じような環境だから同じような感情のタイプの人になるかといえばそうではないですね。

小笠原 ええ、私も自己啓発とかヒーリングや心理ワークとかも一通りやっていたので、感情の問題を完結していくことよりも、はまり込んでいるところからシフトできればOKだと気が付いたんです。逆にその感情の根本まで辿ったり、持っている大きな思い込み自体を変えることって、すごいリスクとコストが高いんです。そのわりには成功の確率が低い。だったら、「いまの苦しみが減ればいいじゃないか」と思ったわけです。

コ2 そこでパート2の「交感神経、副交感神経の緊張」という現象の捉えになっていくわけですね。

(第一回 了)

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–Profile–

小笠原和葉
撮影・菅原ヒロシ

小笠原和葉(Kazuha Ogasawara
ボディーワーカー、意識・感情システム研究家。学生時代から悩まされていたアトピーをヨガで克服したことをきっかけに、 ココロとカラダの研究をはじめ、エンジニアからボディーワーカーに転身。 施術と並行して意識やカラダを含んだその人の全体性を、一つのシステムとして捉え解決するメソッド 「PBM(プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®)」を構築。海外からも受講者が訪れる人気講座となっている。
クラニオセイクラル・ヒーリングアートチューターカリフォルニア州認定マッサージプラクティショナー東海大学大学院理学研究科宇宙物理学専攻修士課程修了。

Web site 小笠原和葉|PBMオフィシャルサイト

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