連載 初見良昭「人生、無刀捕」 第二回「虚実文字」

| 初見良昭

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人生、無刀捕

第二回「虚実文字」

お答え初見良昭
取材・構成藤田竜太

 

「人生無刀捕」題字・初見良昭先生
題字・初見良昭先生

 

虚実転換、変幻自在、行雲流水、奇想天外、千変万化、円転滑脱……。
 発想法、考え方こそが、最大の武器と言われる武神館の初見良昭先生。そんな初見先生に、人生の切所を切る抜けるための、さまざまな知恵を授けていただくというのが、本連載の狙い。
 ときに脱線、煙に巻かれたり、はぐらかされてしまうこともあるかもしれないが、それこそまさに、初見先生の口伝、心伝。
 姿勢を正して、初見先生の幽玄の世界に足を踏み入れてみようではないか。

 

「先生の仰る「虚実文字」とはなんでしょう?」

前回は、夏目漱石の「変体文字」に対し、初見先生は「虚実文字」を駆使しているというお話まで。

初見先生は、同じ読み方でも、違う漢字を当てはめて、通常と違う解釈、あるいは本質をずばりと突く、達人ならではの表現をよくされる。
同様に、会話であっても、虚から実へ、実から虚へ、虚実転換が自由自在であることも知られている。

それにしても、文字がコロコロ入れ替わり、その意味も千変万化していく「虚実文字」の世界は、武道の境地を示す、重要なヒントになっているのでは?

今回は、まずこのことから、初見先生に迫ってみた。

 

初見先生のお答え

日本語には漢字がありますからね。漢字があるから「虚実文字」も成り立つわけで、漢字があるのは、武道の要諦を伝えるのに、大変便利です。

漢字はたった一文字でも、いろいろな音を持っていますし、いろいろ聞こえてきますし、図形として、見えてきます。

 

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–Profile–

初見先生

初見良昭(Masaaki Hatsumi
1931年、千葉県野田市生まれ。武神館(ぶじんかん)を主宰(武神館九流派宗家)、柔道五段、空手八段、抜刀道十段。ペンタゴンやFBI、イギリス特殊部隊、オランダ王室海軍などでも指導。テネシー州親善大使、ロンドン警視庁名誉顧問、テキサス州名誉市民、アトランタ、ロサンゼルス市名誉市民など。騎士(ドイツ国立歴史文化連盟より)。世界各国の指導者(レーガン大統領、メジャー首相、ミッテラン大統領、ローマ法王、マンデラ大統領ほか)や軍隊、警察、情報局や各種団体から感謝状、賞状、友好証などを受けている。国際警察会員、インターポール。英国王立医学協会名誉会員、トリニティ大学名誉教授、モアパーク大学犯罪学名誉教授、科学博士、哲学博士、芸術学博士。「日本よりも海外で有名な日本人」として、しばしばテレビ、雑誌、新聞などで紹介される。

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