コ2【kotsu】インフォメーション
teateセラピー・有本匡男氏が語る
「ヒモトレの魅力」
文●有本匡男
みなさま、こんにちは。teateセラピーの有本匡男です。
この度、ヒモトレの新刊発売と、teateセラピーを提供しているホリスティックヘルスケア研究所や、そこが企画協力するイベントYOGAWOMAN2017でヒモトレのクラスが実施されるにあたり、ヒモトレを応援するものとして、僕が感じる魅力を紹介させていただきます。
ヒモトレとは?
僕がヒモトレと出会ったのはちょうど1年前、第2回ソマティックフェスタの開催にあたり、コ2さんから小関先生の紹介を受けた時からですが、その時、効果とそのメソッドの理念に共感し、多くの先生方と同様、広く多くの方に届くよう、微力ながら、勝手に応援させていただいております。
僕は普段、個人的にはいろいろな健康器具を体験してみるのですが、そうした道具を使うものを個人としてこうした媒体で強く宣伝することは今までほとんどありませんでした。
というのも、器具として「いつでも、どこでも、手軽で、努力もモチベーションもいらず、誰にでもできて、効果も見えやすい」という、ヒモトレのような汎用性の高さを持つものになかなか出会わなかったからです。
ちなみに私がteateセラピーやタッチケアの普及活動をしているのもそうした上記の要素を持つものだからです。
読んですぐ実践できるうえ、「巻くだけで良いですよ、触るだけで良いですよ」というのはこうした文章で伝えても誤解を生じにくいし、多くの方にとってプラスになるというのはとても、おすすめしやすいですね。
巻いた時の動きや身体性の向上、臨床の現場での驚きの結果については、ここで僕が言うことはないと思いますので、別の側面、考え方やものの見方を教育する臨床哲学的ツールとしてのヒモトレの有用性についてお話したいと思います。
どうして人はリラックスできないのか?
私が普段仕事をする心身のセラピー、癒しや自己治癒力の賦活という一般的な健康をテーマにもった現場にいると、心身や自律神経など「バランスを大事にする」ことが基本であることは言うまでもありません。主観、客観、肉体、精神、霊性も含むホリスティックなバランス。
そしてバランス回復を促す際の、「足りないところを補う」と「過剰なところを抜く」といったアプローチにおいて、大きなくくりでいって今は「引く、抜く」のほうが必要な方がほとんどであると施術者としてとても感じます。
ですので、今僕が健康というテーマでマスに向けて情報発信する際に届けるのは、そうしたことをすすめる機会が多くなります。
実際にコ2さんがシェアしてくださるような、マインドフルネス、禅しかり、そうした「引き算系メソッド」の盛り上がりが世相を顕していて、集合無意識的な社会的治癒力が働いていることを感じます。
しかし、多くの方は引くことがうまくありません。オン、オフのオフ側や休む、遊びという感覚の下手さというか。慣れていないのが見て取れます。
それには幾つかの要因があるかと思いますが、無自覚的に思考スタイルや観念を作っている潜在的要因として2つあげてみたいと思います。
一つ目に、心理的に「引く・抜く」という言葉や行為に「手抜き、楽する=怠惰、ずるい」というようなネガティブイメージを想起してしまうことから起きる罪悪感が緊張をもたらすという要因。これは日本的「努力の美徳感」の行き過ぎがもたらす民族的な傾向ですね。
次に、情報として、休む、抜くことが大事だと知っても、頭で「抜こう」とするので、結局「力みを手放そう、うまい休み方を獲得しよう」という足し算的発想の強化に繋がり、さらなる力みをもたらし、うまく抜けない。頭でっかちになりやすい、現代社会的な、知識先行型の行き過ぎですね。
どちらも社会傾向という大きな流れの影響や潜在的な恐怖感、変化を怖がるという元型的な問題も絡んでくるので、アプローチに時間がかかりやすい。
しかも、引き算系は得ようとしないことで、「結果的に得られる」というパラドクス的側面や、「当初考えもしなかった気付きを得られる」という、体験先行で振り返って気づくことによる、「やってみるまで結果が望む通りに出るかわからない」という逆の視点であることが多いようです。
そのため、知識先行型の、「ゴール・目標設定をしてそこに集中して近づいていく」という考え方、視点でアクションするとなかなかうまくいかないうえに、ゴール達成のために、因果関係が不明瞭なことをするということに混乱し、モチベーション維持がしにくい傾向があります。
そこで、ヒモトレです。
ヒモトレが導くのは、“リラックス”の成功体験
ヒモトレの基本的なエクササイズに、腕にヒモをかけて腕を挙げる動作があります。
ヒモのテンションに腕を任せるという意識をもって、腕を挙げてみると腕がヒモトレ前より挙がるという体験。意識を「腕を楽に挙げよう」という目的と別においていますね。
このように、直接的目的意識をゴールに向けずに楽に動ける、プラスの結果が出ることを体験してもらうと、目的を意識しないことでよりよく結果が出る方法がある、ということが体験で分かっていただけます。この体で分かるという体認の感覚が、五感と知識を統合した深い理解になりますし、その委ねてうまくいったという成功体験が上記の罪悪感や目的思考を変化させる恐怖に安心して取り組む、思考転換のきっかけになりやすいんですね。
特に現場ではクライアントに対し、その驚きと「なぜ?」という興味という学習意欲があるときに「引く・抜く」ことの広い意味での効用のお話ができるので、視点教育としてありがたいツールです。
さらにそうしたきっかけやらでヒモトレを始めて、ヒモを巻いて過ごしているうちに、気づいたら身体だけでなく、考え方も「自然に」変わっていた、というようなことも起こるからです。僕はヒモトレによって従来型目的思考と、達成とは距離がある、変わっていくプロセスを愉しめる思考がバランスよくとれるようになる方が増えるとおもっています。。
現実世界では、他者との関係性もあり、まだまだ抜くことが組織の望む結果とイコールにならないこともありますが、少なくとも個人として、抜くことを自己に赦せるようになることは長く人生を生きていく上で、とても大事なことだと考えます。
以上、長くなりましたが、コ2さんが紹介するものはそうした哲学があるので好きなのですが、僕がヒモトレを推す理由はそんな哲学をヒモトレにも大いに感じるからです。
ぜひ、機会のある方は直接、ヒモトレを生んだ小関先生の考え方、視点にも触れていただければ生きやすくなるコツを感じていただけるとおもいます。
当日、会場に僕もいます。ぜひ一緒に体験しましょう。
ヒモトレ講座詳細はこちら
6月18日 ホリ研にて講座
http://holiken.net/?pid=115916006
6月17日 ヨガウーマン
http://2017.yogawoman.jp/archives/speaker/koseki_tsutomu
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