リッキーガット症候群解消法 第八回 皮膚バリアが壊れるとアレルギーになりやすくなる

| 松原秀樹

“腸漏れ”が病気をつくる

リッキーガット症候群解消法

第8回 皮膚バリアが壊れるとアレルギーになりやすくなる

体質研究所主宰 松原秀樹
構成近藤友暁

 

ゆるんだ腸壁=リーキーガットが様々な身体の不調に関連することを解説する本連載。

第8回は、前回に引き続き、「アレルギー」について仕組みを説明します。今回は、なぜアレルギーになるのかを、皮膚と免疫の観点で考えてみます。

 

「アレルギー食品を避ける」と、アレルギーになりやすくなる?

アメリカでは、ピーナツアレルギーの患者が急増しています。アメリカ小児科学会が「アレルギー食品を避ける」という指針を出した2000年以降も、発症率は減るどころか逆に増加しています

その理由を探るため、ハーバード大学医学部の准教授・アレルギー専門医のマイケル・ヤング博士は、過去に長期にわたって行なわれた、食習慣や病歴などを聞き取った膨大な調査データを再度、分析し直しました

その結果、「妊娠中にピーナツを食べることが少ないほど、生まれた子がピーナツアレルギーになる率が高かった」ことが分かりました。つまり、「アレルギー食品を避けることが、逆にアレルギーの発症率を高めているかもしれない」というのです。

2015年に、ヤング博士の説を裏付ける実験を、ロンドン大学の教授・アレルギー研究会の重鎮であるギデオン・ラック博士が発表しました。それによると、「子供たちが早い段階で敢えてピーナツを食べることによって、ピーナツアレルギーを予防できる」というのです。

ラック博士は、親や兄弟にピーナツアレルギーの発症者がいる600名以上の生後6ヶ月から11ヶ月の赤ちゃんの両親から協力をとりつけました。そして、この赤ちゃんを2つのグループに分けて、半数のおよそ300名には、医師の指導の下で、週3回以上、一定量のピーナツを食べ続けてもらい、もう半数には、ピーナツを徹底的に避けてもらいました。

その結果、5歳になった時点で、ピーナツを避けた子供のグループでは、17.3%がピーナツアレルギーを発症したのに対して、ピーナツを食べ続けた子供たちのグループは、わずか3.2%の発症率でした。

 

「皮膚バリア」が破壊されると、アレルギーになる!

ラック博士が、ロンドンに住む未就学児1万2000人について調査した結果、「ピーナツアレルギー発症者の91%が、生後半年以内にピーナツオイル入りのスキンクリームを使っていた」ことが判明しました。とりわけ、肌荒れや皮膚炎を患っていた子供たちが、ピーナツアレルギーになっていたのです。

また、当時のイギリスで販売されていた複数のピーナツクリームには、精製が不十分でピーナツのタンパク質が含まれているピーナツオイルが使われていました。つまり荒れた肌に、(アレルギーの原因となるタンパク質を含んだ)ピーナツオイルが塗られたことによって、ピーナツアレルギーを発症していたのです。

<荒れた皮膚からタンパク質侵入⇒IgE抗体産生⇒アレルギー体質>

ラック博士の説を裏付ける実験が、兵庫医科大学で行なわれました。

ネズミの皮膚に「界面活性剤」を塗り、人工的に肌荒れをつくり、そこに食物アレルギーの原因物質の一つである卵白を塗ります。界面活性剤とは水と油を溶かすもので、皮膚に塗ると皮脂膜が溶けて薄くなります。ここに卵白を塗ると、卵白が皮膚の微細な隙間から内部に侵入します。

これを何回かくり返した後、ネズミに卵白を食べさせると、数分後にアナフィラキシーショックがおきました。つまり、このネズミは、皮膚からアレルゲンが侵入することによって、食物アレルギーを発症したのです。

ところが、ネズミにあらかじめ卵白を食べさせておくと、皮膚に卵白をすり込んでも、卵白を食べさせても、アレルギーをおこしませんでした

この実験から、「先に皮膚からタンパク質が侵入するとアレルギーになり、先に腸から侵入するとアレルギーがおきない」ということが明らかになりました。

松原先生連載イメージ

 

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–Profile–

松原秀樹先生

松原秀樹(Hideki Matsubara
アレルギー体質を改善するために、高校時代から様々な療法を試みる。48歳のとき自然免疫学応用食材で、40年間治らなかったアレルギー症状がわずか2ヶ月でほぼ消失した。さらに腸管免疫について調べていき、『リーキーガットが万病の根源』と知るに至る。

 合気術を活用した独自の施術を行なう傍ら、体質改善の食事指導、サプリメントやボディケア用品の開発も行なっている。

 体質研究所主宰。桜ヶ丘整体院院長。整体師。体質改善コンサルタント。米国ISNF認定サプリメントアドバイザー。合気道四段。

 著書に「お腹のぜい肉をなくす食事」(文芸社)「7つの秘訣で膝痛解消!」「肩甲骨をゆるめる!」(BABジャパン)「アレルギーは、皮膚と腸のバリアを強化すれば治る」(あかつき身体文学舎)など。「腰痛解消!神の手を持つ17人」(現代書林)に掲載。

Web site:体質改善コンサルタントの体質研究所

(当院のご案内の他、体質改善や健康情報についてクイズ形式で学べる「体質改善検定Ⓡ」も掲載しております。)