【訃報】研心会館館長 横山和正先生が永眠されました。

| コ2編集部

【訃報】先日『瞬撃の哲理 沖縄空手の学び方』を上梓されたばかりの、研心会館館長 横山和正先生が、去る5月26日午後4時、尿管癌により永眠されました。享年60。

生前のご本人の強い希望により、葬儀などは既に家族葬で行われています。

 

横山和正先生

 

小学校時代より空手を学ぶも、試合や型のありかたに疑問を持ち、高校卒業の年台湾へ渡り、八歩蟷螂拳の名手・衛笑堂老師他の指導を受ける。その経験をもとに空手を学び直すこと決意し、源流である沖縄へ渡り、沖縄小林流空手道小林館範士 仲里周五郎師に師事し専門指導を受ける。

ここで仲里師より受けた「より強く、より早く」というシンプルな稽古から、自分の体のなかにある爆発するような力に開眼する。

 その後、沖縄滞在期間に知り合った米国人空手家の招待と仲里師の薦めもあり1981年に渡米、以降、テキサスを本拠に活躍、その圧倒的な突きのスピードから”Lightning Flash Hands!!(瞬撃手)の異名で呼ばれる。

 1988年に沖縄小林流空手道研心会館を発足、沖縄空手の普及に努める。近年ではオランダでも精力的にセミナーを行っていた。

 コ2【kotsu】では2015年より2017年まで「瞬撃手が解く、沖縄空手の学び方」を連載、その独自の空手観、理論から多くの注目を集めていました。

書籍『沖縄空手の学び方』は「生きているうちに本を見たい」という横山先生の希望により、当初の予定を前倒しにして作業が進められたものでした。編集作業を開始した3月末には既に重篤な癌に冒されている状態にも関わらず、撮影、執筆を精力的にこなし、その間、一度として弱音を吐くことはなく、最後まで“空手家”としてどうあるべきかを、その姿と態度で見せて頂きました。

謹んでご冥福をお祈り致します。

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–Profile–

横山和正(Kazumasa Yokoyama

沖縄小林流空手道研心会館々長。
本名・英信。1958(昭和33)年、神奈川県生まれ。幼少の頃から柔道・剣道・空手道に親しみつつ水泳・体操等のスポーツで活躍する。高校時代にはレスリング部に所属し、柔道・空手道・ボクシング等の活動・稽古を積む。

高校卒業の年、早くから進学が決まったことを利用し、台湾へ空手道の源泉ともいえる中国拳法の修行に出かけ、八歩蟷螂拳の名手・衛笑堂老師、他の指導を受ける。その後、糸東流系の全国大会団体戦で3位、以降も台湾へ数回渡る中で、型と実用性の接点を感じ取り、当時東京では少なかった沖縄小林流の師範を探しあて沖縄首里空手の修行を開始する。帯昇段を機に沖縄へ渡り、かねてから希望していた先生の一人、仲里周五郎師に師事し専門指導を受ける。

沖縄滞在期間に米国人空手家の目に留まり、米国人の招待、および仲里師の薦めもあり1981年にサンフランシスコへと渡る。見知らぬ異国の地で悪戦苦闘しながらも1984年にはテキサス州を中心としたカラテ大会で活躍し”閃光の鷹””見えない手”との異名を取り同州のマーシャルアーツ協会のMVPを受賞する。1988年にテキサス州を拠点として研心国際空手道(沖縄小林流)を発足、以後、米国AAU(Amateur Athletic Union アマチュア運動連合)の空手道ガルフ地区の会長、全米オフィスの技術部に役員の籍を置く。

これまでにも雑誌・DVD・セミナー・ラジオ・TV 等で独自の人生体験と沖縄空手を紹介して今日に至り、その年齢を感じさせない身体のキレは瞬撃手と呼ばれている。近年、沖縄の空手道=首里手が広く日本国内に紹介され様々な技法や身体操作が紹介される一方で、今一度沖縄空手の源泉的実体を掘り下げ、より現実的にその優秀性を解明していくことを説く。 すべては基本の中から生まれ応用に行き着くものでなくてはならない。 本来の空手のあり方は基本→型→応用すべてが深い繋がりのあるものなのだ。 そうした見解から沖縄空手に伝えられる基本を説いていこうと試みる。

平成30年5月26日、尿管癌により逝去。享年60。

書籍『瞬撃手・横山和正の空手の原理原則』(BABジャパン) ビデオ「沖縄小林流空手道 夫婦手を使う」・「沖縄小林流空手 ナイファンチをつかう」・「沖縄小林流空手道 ピンアン実戦型をつかう」「沖縄小林流の強さ【瞬撃の空手】」(BABジャパン)

web site: 「研心会館 沖縄小林流空手道」
blog:「瞬撃手 横山和正のオフィシャルブログ」