8月25日に初めてのコラボ企画を行う、山上亮さん(整体ボディワーカー。以下、亮さん)と、山本加世さん(NPO法人mama’s hug理事長。以下、もっさん)。
本イベントを記念してのプレ企画として、お二人の往復書簡が始まります。
今回のイベントのテーマになぜ、「“慈しみ”からはじまる保健体育」とつけたのか? なぜこの企画をするの? など、ここでしか聞けないお話が続々と登場します。
イベントの予習にも、お二人の人となりを知るのにも、ぜひどうぞ。
コ2イベントプレ企画連載
亮さんともっさんの往復書簡
04 もっさんから→亮さんへ 「なんで、追いかけてくれないの?〜夫婦喧嘩とトレーナー事件」
文・写真提供●山本加世
亮さん、お返事ありがとうございます。
めちゃくちゃ照れています……的確すぎて。
そしてその中でどさくさに紛れて、褒めてもらえて(……ますよね!?)。
そうなんです!私は、前回の亮さんの書簡でおっしゃってくれた通りなんです。
転ぶときは助走をつけて転び、危険なものから逃げるのに、危険物と同じ方向に逃げる……という、生きづらいシステムを搭載して生きてます。
それをわかってくださる亮さんに、ますます信頼感大。
なので腹を割りすぎた打ち明け話になっちゃいますが、わが家の夫婦喧嘩がどんな感じか、お話ししますね。
仁義なき夫婦喧嘩!?〜もっさん家の場合
そう、あれはいつの夫婦喧嘩だったことか…と、遠い目をしてしまいますが。
私たち夫婦はよく喧嘩をしました。厳密に言うと、私が1人で怒っている状況です。
原因はほぼ覚えていません。七不思議です。ホラーです。オカルトです。
そして亮さんが言わないように気をつけているというマジックワード、
「もういいっっ!!」
を乱用していました。
本当は「もういいっ」と言って外に飛び出しそうになる私を、夫に「ちょっ、待てよっ!」と止めて欲しいだけなのですが。
そりゃあ止めるはずありませんよね。だって私が「もういいっ」と言っているのだから。
その後、「ちょっと、本当にもういいの?(振り向く私)」と、止めない夫に食ってかかるのですが、夫「だってかよが、もういいって言うから……」、私「。。。」。
夫よ、正論です。ひと言もありません。
ミラクルが重なった「トレーナー事件」
そして新婚数カ月のある日。事件、いや事故?ミラクルがおこります。
結婚後、何度目かの夫婦喧嘩が勃発。まぁ新婚ということもあり、夫もちょっとは止めれば落ち着くだろうと思ってくれたのでしょうね。
夫「外に出ないで、危ないから」と、私をなだめてくれました。
私「よしキタコレ〜〜〜っっ!(鼻息荒)」。
……と、おとなしくそこで戻っていればよかったんですよ。でもきっと調子に乗ってしまったんでしょうね、私ったら。折角、止めてくれたのに「もうっ、いいから!離してよ!」って振り払っちゃったんです。
それでも夫は偉かった。再び私の腕をとり「危ないから」と玄関に引き寄せてくれたのです。が、またもや抵抗する私。
そこで何が起こったか。
はい、奇跡的に着ていたトレーナーが脱げてしまい、私、生まれたときの姿になっちゃったのです(いわゆるひとりの、ハ・ダ・カ)。
あわてて玄関で身体を隠したものの、あまりにバツが悪いので、私はトレーナーをひっかけ、再び外に飛び出しました。
その後、夫も追いかけてくれたのですが(やさしい)、初めて追いかけられて調子に乗る私、ついにキレる夫。どこかに走り去ってしまいました。
「追いかけてもらえるのは、私のはずでは……」と、慌てて探し回る私。ところが、足が鉛のように重く前に進みません。
それもそのはず。玄関でその場にあったものをひっかけて、夫の革靴を履いて出てきてしまったのでした。夫の靴はブカブカ、しかも相手は駿足。追いつけるはずもありません。
それでもあきらめず夫を探している時、よそ見をしすぎて工事現場の穴に落ち、足、腕、額をケガしながらも、ついに夫を見つけたときには、トレーナーなどが破れた血みどろ姿のまま、夫の眼の前に現れるというありさまに。
ただしそこでは終わりません。もっと同情を引こうとちょっと転んでみせたら、「大丈夫か?」と心配され、一件落着(いろんな意味で)。
なんで、追いかけてくれないの?(妻談)
なんで、追いかけてくれないの?
なんで、「もういいっ」って言葉で本当にもうよくなっちゃうの??
なんで、話が噛み合わないの???
そんなことを、夫とは結婚から20年は繰り返していたことになります。
(実は、数年前にボストンに転勤したばかりの時にも「もういいっっ」の発作が出たのだけど、長くなるのでまた今度♡)
はい、お待たせしました(なにをだ)。
私が、男女の差を勉強したくなったきっかけ、いまにつながる本来の性教育を考えはじめたわけは、この夫婦間の「なんで?」への答えが欲しかったからなんです。
その答えって、なんだかわかりますか?
それは、
夫婦喧嘩においても、男性は「察しない」から
なんです(比較的、ですよ。個体差はアリ)。
これは私たちが狩猟採集をしていた時代に身についたものだそうなんです。
なぜなのでしょう?
だって「察しない」能力がなければ、私たちは絶滅していたかもしれないんです。
たとえば、私の夫がマンモス狩りをする時代に一家を養っていたとしましょう。
そこでマンモスを追っていた夫、あと一撃で獲物が手に入る! という場面になったとします。ところがそんな大事な瞬間に「マンモスよ、こいつにも家族がいるんだろうなぁ……」と察してしまったら。私たち一家、あえなく餓死です。
だからこそ。
「私たち家族を養うために“察しない”能力があるのか」と気づいたら、
「もういいっ!」って言わなくなりました。
「もういいっ…くないっ!」と、自分が納得できるまで、夫と話をして解決する手段を身につけることができました。
これって、
「対話をあきらめない喧嘩」であれば、どんな大喧嘩でも大いに見せて良いんじゃないかと、私はそう思っています。(by亮さん)
と亮さんが書いていたことと、同じですよね。
そして現在、私は夫と「これだけはしようね」と守っている約束があります。それは
どんなに喧嘩していても、玄関を出るときは必ずhugをすること。
そしてもしも、この日のhugのあと今生の別れが訪れたとしても、たとえようのない悲しみがやってきたとしても、しなかった後悔は一つ減ると思っています。
それと「もういいっ」を言わないことです(まれに言うのは…許す、自分!)。
○亮さんへの、質問です!
では長くなりましたが、亮さんへの質問です。
家族と一緒に見ているテレビとかでラブシーンが流れたとき、亮さんはどうしていますか?
お子さんから、ナプキンの広告とかについて質問されたときはありますか?
それにはどう答えていますか?
8/25土のイベントのテーマにも通じる質問ですが、またもや振り幅広げすぎましたか(笑)。よろしくお願いします!
【イベント告知】
2018年08月25日(土) 13:30〜16:30に、
山上亮さんと山本加世さんによるトークイベント「自分も人もすきになるタッチvol.1」が開催されます。詳細やお申し込みはこちらから↓
イベントページ「「自分も人もすきになるタッチvol.1〜 “慈しみ”からはじまる保健体育」開催!」
ふるってご参加ください!
(第4回 了)
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–Profile–
●山本 加世(Kayo Yamamoto)
就職後、食べ物に関わる仕事がしたいと一念発起、フードコーディネーターとなる。結婚、出産を経てタッチの大切さを普及すべく、ベビーマッサージのインストラクターに。2006年にNPO法人mama’s hugを設立し、 「100の言葉よりhug」をモットーに、心と身体の知能、脳科学、皮膚科学心理術に基づく【Touch学】を提唱する。2013年にはボストン校を開校。ベビー・キッズ・ガクセイ・オトナ・マタニティといった世代別の講座を開講し、インストラクターを養成している。月刊クーヨンをはじめ、取材多数。
Web site NPO法人mama’s hug(ママズハグ)