第3回 全日本競技推手選手権大会開催!

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第3回 全日本競技推手選手権大会開催!

文・写真コ2編集部

 

去る5月19日、東京・新木場 BumB(ぶんぶ)東京スポーツ文化館に於いて、第3回全日本競技推手選手権大会が開催された。

当日は、女子部、軽量級、中量級、重量級、そして無差別級の五階級に加えて、今年は新たにライトコンタクトルールが行われた。

通常のルールはこれまでと同じく「定歩推手」と呼ばれる足を動かさずに行うスタイルで行われ、参加者は二人一組で所定のエリアに両脚を置き、手首を合わせ、片手を相手の肘に添えた状態から始める。優劣はポイントによって争われ、足が床から離れるか、最初に足を置くマットから出ると1ポイント足以外の身体の部位が床に着けば2ポイントとなる。相手の足が床から離れても、自分の足が離れてしまうと同体となり、両者ともにポイントは入らず最初の姿勢から試合再開となる。また触れて良いのは首から下、ウエストより上であり、頭突き、金的の他、肘を使うのも禁止、無論足技は一切使えない。

ライトコンタクトルールは、「構えて」で通常のルールと同じく掤手(手を合わせた形)を取り、「用意」の号令で自分の右手を相手の左手の上腕部に添え、自分の左手を相手の右ひじ下に添え、「はじめ」の号令に合わせて試合を始める。これにより取手争いが省かれることにより、より安全に競技推手が体験できる。

今回は男女混合無差別級で行われたが、体格差や実力差があってもそれぞれの力に応じた試合となり、より多くの人が競技推手に参加する機会になると感じた。

 

試合はいずれの階級でも白熱した試合が続いたが、なかでも好勝負となったのは、散打大会などでも活躍し、昨年の無差別級を制した竹村秀敏選手と杉本祥伸選手の無差別級決勝戦だ。

前半は130キロを越す巨漢、杉本選手に圧倒された竹村選手だったが、後半戦は「気持ちを切り替えて迷わずいきました(竹村)」との言葉通り3本を先取、逆に取り返す。迎えた延長戦、一進一退の攻防となるも、最後は杉本選手が体重と懐の深さで竹村選手の追撃を振り切り優勝を果たした。

 

今後の大会情報や練習会、講習会、ルールに興味のある人は全日本競技推手連盟のサイトをチェックすると良いだろう。

 

大会主催者であり先日『本当に大事なものを護りたい人が知っておくべきこと 間接護身入門』を上梓された葛西真彦先生。

 

 

大会結果

入賞者全員による記念写真

【男子軽量級】
優勝 西尾 嘉洋
二位 山下 日出樹
三位 久世 和人

【男子中量級】
優勝 竹村 秀敏
二位 上川 著芳
三位 高橋 矢

【男子重量級】
優勝 栗林 和寛
二位 眞田 雅行
三位 今田 拓実

【男子無差別級】
優勝 杉本 祥伸
二位 竹村 秀敏
三位 栗林 和寛

【女子無差別級】
優勝 金子 晴子
二位 小林 妙子
三位 梁 成実

【ライトコンタクトルール男女無差別級】
優勝 上川 著芳
二位 遠山 訓史
三位 島田 勉

【敢闘賞】
津覇 亮、遠山 訓史

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–Profile–

葛西眞彦(Masahiko Kasai)(写真右)

かさい・まさひこ。1977年10月26日生まれ、青森県出身。間接護身アドバイザー。

日本在住時は意拳、フルコン空手、杖、剣道、逮捕術、合気道等を修行していた武術歴約30数年の元刑事。現職時代に大病を患い、発作で仕事もままならなくなったことから、漢方治療を受けるため早期リタイヤし台湾へ移住。

1年間の漢方治療を経て発作も収まり、体がある程度動くようになったため、台湾での本格的な中国武術修行を開始。

台湾では、中華民国八極拳教練資格を日本人として初取得、また同様に推手教練資格も日本人として初取得。

台湾で実施される競技推手世界大会を運営する団体に所属し、詠春拳と太極拳、八極拳を修業し、シニアの身の上でありながら、競技推手青年部での中量・重量級チャレンジを続け、優勝・入賞経験を積み重ね、その経験と技術を後進に伝えている。

日本の選手を団体流派の制限を一切問わず、最短の時間と努力で台湾大会に入賞・優勝するために必須の技術と哲学を公開指導。

競技推手大会開催地である台湾に居住し、常に参加選手、参加団体との交流があるからこそできる分析、解析を強みに、熱意のある方に情報を還元。

指導者としてのスキル研鑽にも力を入れ、関わった日本人全員が世界で優勝することを目標にして、指導と修業を並行した研鑽を続けている。

現在は競技推手のみならず、自由推手と養生推手および詠春のチーサオを融合させた、総合的な崩しと打撃へ対応できる技術を研鑽し、独自の境地を見出すための努力を続けている。

最終的には日本に帰国して、素手の崩しと武器の崩し、ランダム性の中で戦えるものを、刑事時代の経験等からも総合的な形でまとめた独自の技術として提唱すべく準備中。

執筆活動も精力的に行なっており、台湾では心理学と人相に関する本を1冊、護身術に関する本を1冊出版。

日本ではwebマガジン「コ2」にて、直接的な攻撃や抵抗の段階に入ることなく、事前に危機を察知、回避することを主体とした「間接護身」という独自の概念を紹介・解説するコラムを書籍化し、応用編を現在執筆中

主な入賞経歴
2016年10月、 台湾世界大会「第六屆世界盃太極與推手錦標賽」第七級(76〜83kg)にて三位入賞(台湾推手大会の入賞としては日本人初)。

2016年12月、 台湾全国大会「第十二屆志堅盃全國太極拳錦標賽」社男第五級(80〜90kg)にて優勝(台湾推手大会の優勝としては日本人初)。

2017年5月、台湾全国大会「第10屆道生盃武術錦標賽-定步推手比賽」第七級(82kg以下)にて優勝。

2017年10月、台湾最大の全国大会である「第7届總統盃全國太極拳錦標赛」青年男子第八級(83〜91kg)にて優勝。

2017年12月、台湾全国大会「第十三屆志堅盃全國太極拳錦標賽-定步推手比賽」第七級(91kg以下)にて2位。

2018年10月、台湾世界大会「第七屆世界盃太極與推手錦標賽」青年男子第七級(76〜83kg)にて2位。

2019年12月、台湾全国大会「第十五屆志堅盃全國太極拳錦標賽」小よく大を制すを体現するため、中量級の体重で最重量級に参加し、110キロ、115キロ、140キロの重量級選手を倒し優勝。

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