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武術家であり体の専門家である河野智聖先生に、皮膚を軽く撫でるだけで誰でもすぐに使える身体調整法“ニコニコタッチセラピー”をご紹介頂きます。第五回目の今回は膝の痛みについてです。
ある日のニコニコタッチセラピー講座での出来事。
講座を受ける女性たちにまじって70歳代のおばあさんが見学にきていました。
聞けば娘が講座を受ける間待っていたいとのことです。
そのおばあさんは腰痛が大変で、歩くのも不自由で講座がおわったら娘に車で病院に送ってもらうことになっていました。
そこで、「せっかくですから、モデルになって下さい」とお願いして、講座でお尻・肩甲骨・頭にニコニコタッチをおこなうと、曲がった背筋がスッキリし、「痛みが取れた!」と満面の笑顔となり、そのままご自宅へお帰りになりました。
ここで私がやったのはただ触るだけ。頑張って揉んだり、押したりせずに皮膚の流れにそってタッチングするだけで元気になる、そんなニコニコタッチをこの連載では紹介していきます。
簡単!ニコニコタッチセラピー体験。
第五回 「膝の痛みに効く、ニコニコタッチ」
文●河野智聖
悩ましい膝の痛み
今回は体を整えているはずなのに、体に負担になってしまったと言う方のお話を紹介しましょう。
歳を取ると膝を痛める人が多くなります。
巷の健康雑誌や本を手に取っても、「膝」をテーマにした本は百花繚乱、いかに多くの人が悩んでいるかが分かります。その背景には、
「膝を痛める」→「歩けなくなる」→「寝たきり」
という恐怖の図式があるのでしょう。
別に加齢だけではなく、ランニングやテニス、サッカーなどのスポーツでも膝は一番壊しやすい箇所なだけに、注目度が高いのも当然です。
かくいう私もここ数年膝が痛くなることがありました。それも決まって毎年春、特に4、5月の時期で、昨年はまったく右膝が曲がらなくなってしまったのです。
実は整体では
「春は古い打撲が出る時期だ」
と言われています。この言葉で思い当たるのは2006年に静岡で「アマテラス」というダンス劇にスサノオ役で出演した時のことです。このリハーサルで右足指をバク転のミスで骨折したことがあるのです。本番はほとんど片足でなんとか演じましたが、翌日は足指はパンパンに腫れましたが、その足で東京へ戻り、いつものように整体操法を行いました。
整体創始者・野口晴哉師は、「体を甘えさせない」という考え方を持っていました。ですから私たち整体指導者は風邪を引いても、熱が出ても骨折しても、「いつもと同じペースで仕事をしなくてはいけない」と教えられています。もちろん実行するのは大変ですが、これはけっして無理をするということではありません。日常どうりに仕事をするのですが、そのままにせずに愉気をしたり、温めたり、ニコニコタッチを行います。そうすると骨折などは早く完治します。
これは整体指導者だからというわけではありません。現代人は患部を大事に守らないと良くならないと思い込んでしまっています。ギブスや松葉杖を使い、大事に守っていると修復に時間がかかるかかってしまうのです。私の足指は一ヶ月ほどで良くなりました。
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