コ2【kotsu】特別インタビュー  ソマフェス&コ2【kotsu】コラボ企画記念 有本匡男氏に訊く 03

| コ2【kotsu】編集部

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いよいよ10月14日(金)に迫ってきた第2回ソマティックフェスタ。 すでにコ2【kotsu】でもお伝えの通り、今回はソマティックフェスタさんからお声掛かりを得て、コ2【kotsu】コラボ講座が行われる。

そこで開催まで残り10日を切った今だからこそ、改めてソマティックフェスタになぜ今回、本WEBマガジンコ2【kotsu】とのコラボ講座“ソマティックアーツ:身体術WITHコ2PRESENTS”を企画されたのか、仕掛け人の有本匡男氏にお話を伺うとともに、それぞれのコラボ講座についての見所・期待のポイントをご紹介頂いた。

コ2【kotsu】特別インタビュー

ソマティックフェスタ&コ2 コラボ企画記念
有本匡男氏に訊く 第三回

ソマティックと武術の邂逅! 〜システマに学ぶ、ストレスケア

語り有本匡男
取材・構成コ2【kotsu】編集部

 

有本匡男氏

 

システマのシンプルさが魅力!

コ2編集部(以下、コ2) 次にご紹介頂くの渡辺文さんの「ロシア武術システマ 呼吸でひらく自分の可能性」ですね。こちらはコ2からの提案で(女性限定クラス)になりましたね。

有本匡男(以下、有本) はい、確かに「そういう形(女子限定)もいいな」と思ったところがあるので乗りました(笑)。

コ2 ソマフェスにいらっしゃる方の女性率が非常に高いというお話があったのと、実際に渡辺さんの女性クラスに出ている方のお話を伺うと、「男性がいないことでのびのびできる」というお話があったのでご提案させて頂きました。有本さんご自身はシステマの経験なり、接触点はあるのでしょうか?

有本 はい。うちの会社のほうで、セミナーを北川貴英さん、渡辺さんのご主人ですよね(笑)に2回ほどお願いしたことがあります。

コ2 どうですか、感想は?

有本 凄く面白かったですね。特にシステマブリージング(緊張が高まったときに、リラックスするために行う呼吸法)はいまだにやります。特に奥さんに怒られたときとか、すごい効果的ですね(笑)。

コ2 ああ(笑)。

有本 僕も最近ネタがばれてしまったみたいで、「またそうやって!」みたいな感じでかえって怒られたりしています(笑)。

コ2 それは意外な落とし穴が(笑)。

有本 韓氏意拳の時にもお話ししたのですが、武術は極限状態のなかで、すぐに使える、平常の状態に立ち直れるために作られているので洗練されているんですね。ですからシステマの話を聞いたときにもすぐに興味をもって、実際にやらせてもらったんですけれど、これだけシンプルな方法で、すぐに効果が出るというのは驚きました。それだけに多くの方に体験して欲しいと思います。

とにかく、僕はやっぱり“手軽で簡単、持続可能”ということに拘りがあるので、システマは、ブリージングの面においてはまさにそこにピッタリなんです。あとは、やはり“抜く”というのをすごい大事にしたいんです。いざという時にグッと頑張るというよりも、スッと抜いていく方法。そこをシステマは大きなテーマにされているのかなと感じています。お呼びするときにもシステマの動画をいろいろ見て、その辺りの相性がいいなというは感じています。

セラピスト必須!システマでストレスケア

コ2 実際に過去2回やられた講座の反応はいかがでしたか。

有本 すごく評判がよかったです。

コ2 特に格闘技の経験がない人が来るわけですよね? “結構、ハードルが高いのかしら?”と普通は思うところかと思うのですが、そうでもない?

有本 そうですね、実際にその時には相手を軽く投げるということまでやったのですが、実際にシステマ流の身体の使い方というのをしっかり経験させていただいていたので意外なほどスムーズに出来ました。

コ2 システマ流の体の使い方というのは?

有本 まずは相手の力を利用して自分の力を抜いて投げること。あとはブリージングをしながらスクワットをするとか、ブリージングをしながら腕立てをするとか、そういう吐いて力みを抜きながら動作することで、自分の限界からさらに使えるみたいな、体験をさせてもらいました。そういった体の使い方とは、普段、セラピストの方もあまり経験することがないので新鮮だったと思います。

コ2 そうですね。むしろ「格闘技を習いに来たわけじゃないのに、なんでこんなことしなきゃいけないんだ!」と思う人がいてもおかしくない気がするんですけど。皆さん楽しまれたようですね。

有本 はい、皆楽しんでいましたね。その時はストレスケアということで、打ち出させていただいたところもあるので興味があったようです。「システマではストレスケアに呼吸をすごく上手に使っている」ということで、セラピストとしてはめちゃくちゃ興味があるところですし。あとは、トラウマになりそうな状況のなかで、自分を救うというために、ブリージングをするというのも気になるところですから。結局、セラピーの現場では体とか心身にダメージを受けた方が来られるわけで、その方を相手に、何か持って帰っていただくときに、アドバイスとしてシステマの呼吸法を参考に「こういうことを日常の中に取り入れてください」と言えるわけです。

コ2 なるほど、確かに一番根本的でちょっと呼吸に気がつくだけで全然違いますからね。逆にセラピストの方々もお仕事柄かなりストレスはあるのではないでしょうか?

有本 ストレスは受けると思います。
基本的にセラピストになりたい方って、自分自身が何かしら繊細であることがスタートになっていることが結構あるんですね。ご自身が何か傷ついた体験があり、セラピーを受けることで良くなったのがセラピストになった切っ掛けだったりすることが多いんです。そういう意味ではベースとして繊細で、ストレスを受けやすい方も多かったりするんですね。ですから、“ご自身を守る”という意味でもシステマのメソッドはストレートに言えば“使える”と思います。あとは、業界的によく言われる「受ける」「受けない」という話がありますね。

コ2 「もらう、もらわない」ですね。クライアントの抱えているストレスを施術者側が受けてしまうというものですね。

有本 ええ、怪しい話じゃなくて、実際に沈んでいる方と接するなかで、こちらも引っ張られていたりするというのは、やっぱりあるんです。基本、元気はつらつでセラピーを受けに来られる方はあまりいないわけですから(笑)。ですから施術を何人かこなした後に、自分がどっと疲れたりしたときに、自分をリセットする方法として手軽な呼吸法があるというのはすごくいいことだと思います。

コ2 ヒンズースクワットを呼吸しながらやるみたいな感じでもいいわけですね?

有本 はい。あれは結構、ガッと(エネルギーが)回る感じがあるので、そういう意味ではエネルギーを急速に賦活するというところでも、いい方法だろうと思います。

コ2 メンタルな意味での護身という意味でも、システマはお薦めということでしょうか?

有本 そうですね。殴られたときにグッと踏ん張るのではなく、それを抜こうとするという発想や技術って素晴らしいと思うんです。普通嫌なことがあると、固めて身を守ろうとして、それが段々慢性化して体の中に緊張として残ってしまうというところがあるわけで。
ですから嫌なことを受けたときに、それを緩めることで受け流すというのを、身体的にやって、結果的に心的にも残らなくするということって、もうまさにソマティックスな技術なんですよね。そうした受け流すという技術を、体で覚えて、それを実践の中だったり、自分のフィールドだったりで生かせるようにシンプルに体系化されているので、システマとセラピストはとても相性がいいと思います。

コ2 確かにシステマのクラスには施術をされている人が結構いますね。今回のクラスでは渡辺さんは武器使った動きとかもされるようですね。「そういうほうが盛り上がるんだよね」と(笑)。

有本 そうですね、今はやっぱり女性の中での開放、色々な意味での開放というのが大きなテーマになっていますから。歴史的な意味でも、性格的な意味でも、女性ってわりと抑圧を強いられたり、知らず知らずのうちに抑圧していたりする部分があるので、それをいかに開放して、自分自身をクリアにするかということは大事じゃないかと思っています。ですから感情をそのまま出すようなダンス等のワークとかが、わりと日本の女性には必要じゃないかと言われていたりするんですね。武道にもそういう開放の要素、ある意味、攻撃的な男性的な側面をちゃんと開放してあげるということがあるのではと思っています。

コ2 攻撃性を排除するのではなく、一緒に持ちながらどうやってうまく生きていくかみたいなことですね。

有本 全部の感情って、抑えつけるものではないので。例えば怒りであっても、適切に開放したり、そのエネルギーをどこに持っていくかというのがとても大事で。
結果の出ているセラピストは怒りというエネルギーも、ネガティブなものとして抑え込むというより、誰かを救うことや、自分を賦活するリソース(資源)として出口を変えて、変換して活用するということがうまい。そうした怒りの開放の方向として、武術の稽古のなかで適切に消化したり、そうした強いエネルギーとの付き合い方を学んでいくことはとてもいいことだと思います。

コ2 なるほど。

有本 あとは、女性性についての話ですが、女性だけでなく男性もそうなんですけど、女性性が強い方がセラピストの傾向として多いんですね。ですから逆に時に男性性というものをちゃんと表現することって、自分の真ん中を取る上ではとても大事なことなんですよ。

コ2 男性ホルモンを入れてバランスをとるみたいな?

有本 そうです。男性性を楽しく扱って、男性性に慣れる。そしてセラピストとして大事な男性性と女性性のバランスが取れたニュートラルなあり方を体得してもらえればと思います

(第三回 了)

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–Profile–

有本匡男(Masao Arimoto
teateセラピスト。幼少期に、仏教の考えに触れ、「幸せとは」について考え始める。2002年よりセラピストとして活動を開始、同時にヨガ、哲学を学び始める。2007年より「teate(てあて)セラピー」を始める。現在は講演、ワークショップを通じて、「teateセラピー」やホリスティックヘルスケアの普及につとめている。
Web site​ ホリスティックヘルスケア研究所