この度、書籍『グリーフケアに学ぶ深い悲しみの癒やし方 愛する人を失ったとき あなたに起こること』の刊行がされる。愛する人、大切な人を失ったときに受ける心のダメージについて、あるいはそこから立ち直るための指針を、自らも死別経験を持つカウンセラーの目線で、読みやすくまとめた書籍となっている。
ここでは、著者の松家氏に、本書を執筆したきっかけや、読者へのメッセージを伺った。
コ2【kotsu】特別インタビュー
新刊『愛する人を失ったとき あなたに起こること』発売記念
著者・松家かおり氏インタビュー
死別による深い悲しみの癒やしかた(前編)
インタビュアー・文●コ2【kotsu】編集部
深い悲しみを専門にして
コ2編集部(以下、コ2) この度は、処女作の上梓、おめでとうございます。はじめに自己紹介をお願いします。
松家かおり(以下、松家) 私はグリーフカウンセラーの松家かおりと申します。青山でカウンセリングルーム「青山フラワーキュア」を運営しています。
コ2 いつからカウンセラーとして活動を始めたのでしょうか?
松家 カウンセラーとして仕事を始めたのは、2007年2月です。それまでは歯科衛生士という仕事に13年就いていました。仕事をしながらカウンセリングの学校に一年間通い、資格を取得しました。人間関係に悩んでいたので、一念発起という感じです。
最初は、私が女性と言うこともあり、働く女性を対象にしたカウンセリングやお花を使ったセラピーを中心にしていました。
コ2 では最初は、グリーフカウンセリングがご専門ではなかったのですね。では、いつからグリーフカウンセラーに?
松家 カウンセラーとして開業した翌年に両親を相次いで亡くし、それをきっかけにグリーフカウンセリングに出合いました。一年半くらい講習会に通ってグリーフカウンセラーの認定資格を2010年に取得しました。
コ2 グリーフケア、グリーフカウンセリングとは、端的に言うと、どんな手法なのでしょうか?
松家 「グリーフ(Grief)」とは悲嘆、深い悲しみという意味です。愛する人を失うという経験をされた方を対象に心のケアをしています。
私が対象にしているのは、死別経験をされた方で、深い悲しみのために日常生活や人間関係に悩みがあったり、将来に不安があったりする方です。
また、悲しみについて「話し相手がいない」と感じている方にもカウンセリングをしています。
コ2 「グリーフカウンセリング」について、まだ日本ではあまり聞かないのですが、どんな歴史があるのでしょうか?
松家 死別の悲しみについての研究や学問はフロイト氏から始まり、海外ではとても進んでいると思います。キューブラー・ロス氏の著作はいくつも日本語に翻訳されて出版されており、日本人にもなじみがあるのではないでしょうか。
海外では、グリーフについての新しい理論やデータなどもあり、今後も広まっていくと思います。
日本におけるグリーフカウンセラーの数は多いとは言えませんが、グリーフについて関心が高まっているのではないかと感じています。
コ2 死別の悲しみは、例えば人にはどんな影響を与えるのですか?
松家 多くの方が経験されるものとしては、“眠れない”“食事がのどを通らない”“胸が苦しい”などではないでしょうか。
そして、私のカウンセリングルームに来られる方でよく言われるのは、
「一周忌近くから、気持ちの落ち込みが激しくなった」
です。これは、記念日反応というもので、命日反応とも言われます。
愛する人を思い出しやすい誕生日や結婚記念日、もちろんご命日の頃に表れる悲嘆反応です。楽しかった、幸せだった日を思い出してしまうことで、少し回復してきたのに、また気持ちが落ちてしまうという感じです。
コ2 愛する人の死は、心理的にも、身体的にも、影響があるのですね。
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