グリーフカウンセリングとの出会い
松家 父は、母が亡くなった五か月後に亡くなりました。私は、母が亡くなった時よりも、父が亡くなった時の方が、悲しみが深かったと思います。
私は一人っ子ですから、これから父と二人で仲良くやっていこうと思っていた私の心がポキッと折れてしまったのを覚えています。
何をしても涙は止まらないし、何かを考えることが出来なくなって、“私はここのままではダメになってしまう”と思う程でした。本当につらかったです。
自分自身がカウンセラーという仕事をしているので、自分に何が起きているのか、そして、どうすれば前に進めるのかを知りたいと思いました。その中でグリーフカウンセリングと出合いました。
コ2 グリーフカウンセリングと出合って、ご自身に起きた変化にはどんなものがありますか?
松家 「グリーフ」という言葉、概念を知ってから、自分自身に起きていることを理解できるようになりました。気持ちに余裕がうまれ、たくさんの不安から解放されたような気がします。
私は典型的な核家族の子どもですから、“死”が身近になかったので「愛する人を亡くした人がどのような悲しみ方をして、どう立ち直っていくか?」を見たことがなかったのです。数世代の家族が一緒に暮らすような大家族や親族が同じ地域で暮らす地域であれば、例えば孫が祖父の死を経験した時に、親の死から立ち直る自分の親の姿を見ながら、自分も祖父の死から立ち直るという経験をします。
ですが、核家族の子どもの場合、自分に近しい人物の死に触れる機会がないことも珍しくありません。だから、私も自分に何が起きていて、これからどうなってしまうのか? というのがとても不安でなりませんでした。その中で、「グリーフ」というものを知ることで、自分に起きていることが自然な反応だと知った時は、とてもホッとしたのを覚えています。
コ2 なるほど。「グリーフ」というものがあることを知ることで、愛する人を失った際の自分の心の変化が、「異常なことではなく、自然な反応」であると分かり、不安感が薄まるのですね。これは、グリーフから立ち直るための第一歩になるように思えますね。
(前半 了)
講座のお知らせ!
○『愛する人を失ったとき あなたに起こること』出版記念
松家かおり先生グリーフケア講座
来る1月27日(土曜日)、松家かおりさんの出版記念公開講座が日貿出版社(東京・本郷三丁目)で行われます。
参加条件は当日『愛する人を……』をご持参頂くだけ、もちろん会場でのご購入も可能です。
座談会ではグリーフケアのご紹介と実際に死別体験をされた方のお悩みに松家さんが直接お答えします。
日時:1月27日(土)午後1時30分より3時まで。(受け付け開始午後1時20分より)
会場:日貿出版社三階(文京区本郷5-2-2 メトロ・丸の内線、都営・大江戸線「本郷三丁目」より徒歩3分程度。
お申し込み:フォームまたはお電話でお願いします。
電話:03-5805-3303(担当・大塚)
定員:10名 ※今回はお一人お一人にしっかり向き合えるように10名様限定となっております。ご応募はお早めに!
締め切り:1月26日(金)16時
『グリーフケアに学ぶ 愛する人を失ったとき あなたに起こること』
誰にも話せない深い悲しみ(グリーフ)を抱えているあなたへ。 親兄弟、パートナー、友人、ペット……。
生きている上で必ず訪れる別れ。
頭では分かっていても、その悲しみを受け止めきれず、立ち止まっているあなたが、それでも続いていく人生を歩きだすために必要な言葉が、ここにあります。
本書のサブタイトルにある“グリーフケア”とは、近しい肉親との死別をはじめとした“グリーフ(Greif)=悲しみ”を如何に癒やすかという心理学的な研究から始まったもので、近代に入って“グリーフケアカウンセリング”として学び、行われているものです。
著者・松家かおりもまた、両親を相次いで亡くした経験からグリーフカウンセリングを学び、現在カウンセラーとして活躍しています。
本書ではグリーフケアの基礎知識から実際の事例、一人でも出来るワークまでを温かな言葉で説明、なかなか人に分かって貰えず、話すことも難しい悩みにお答えしています。また、大事な人やペットを失った、知人や同僚などを持つ方向けのサジェスチョンもありますので、「どう声をかけていいか分からない」という方にも是非手に取って頂きたいと思います。
現在、Amazon、全国の書店で発売中です。
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