第2回 全日本競技推手選手権大会開催!

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第2回 全日本競技推手選手権大会開催!

文・写真コ2編集部

去る5月20日、東京・新木場 BumB(ぶんぶ)東京スポーツ文化館に於いて、第二回全日本推手選手権大会が開催された。

当日は前回同様、女子部、軽量級、中量級、重量級、そして無差別級の全五階級で競技が行われ、昨年以上の参加者を集め、各階級で熱戦が繰り広げられた。

大会は昨年と同じく「定歩推手」と呼ばれる足を動かさずに行うスタイルで行われ、参加者は二人一組で所定のエリアに両脚を置き、手首を合わせ、片手を相手の肘に添えた状態から始める。優劣はポイントによって争われ、足が床から離れるか、最初に足を置くマットから出ると1ポイント足以外の身体の部位が床に着けば2ポイントとなる。相手の足が床から離れても、自分の足が離れてしまうと同体となり、両者ともにポイントは入らず最初の姿勢から試合再開となる。また触れて良いのは首から下、ウエストより上であり、頭突き、金的の他、肘を使うのも禁止、無論足技は一切使えない。

女子無差別級

 

試合時間は40秒で、相手に6ポイント以上の差をつければその場で終了となる。今大会では国際大会などで採用されている3R制で行われ、一方の選手が2Rを先取すればその時点で試合終了となる。

試合時間が40秒というと短いようだが、実際に動いている間のみカウントされるため運動量はかなりのもので、技術だけではなく体力はもちろん、集中力を切らさずに試合に向かう必要がありかなりハードだ。

また今大会では着実に参加選手の技術レベルがアップしており、各階級ともに熱戦を制したのは、しっかり競技推手の練習をしてきた選手という印象がある。

なかでも印象に残ったのは無差別級だ。得意のかたちでほぼ圧勝で勝ち上がってきた高崎史義選手と、散打大会などでも活躍する竹村秀敏選手で争われた決勝戦は両者ともに相譲らぬ好勝負となった。

1Rは巧みなベクトル崩しで7-1で圧勝した高崎だったが、2Rに入ると竹村が1Rの経験を活かして動きを読み、初手を封じる作戦で、7-10と逆転で取り返す。迎えた3R、どちらが勝ってもおかしくない一進一退の攻防の展開となるが、最後は勝負強さを発揮した竹村が7-8で勝利、見事優勝を果たした。

 

竹村選手を含む日本人選手の希望者は、10月に台湾で2年に一度行われる世界大会にも参加するということなので、こちらにも注目したい。

また全日本選手権も来年継続して行われる予定とのことなので、大会に限らず練習会や講習会に興味のある人は全日本競技推手連盟のサイトをチェックすると良いだろう。

 

大会主催者でありコ2【kotsu】で連載の「超実践、護身術」でもお馴染みの葛西真彦先生。

 

 

大会結果

第二回競技推手
入賞者全員による記念写真

【男子軽量級】

優勝 高橋 矢
二位 日髙 崇
三位 西尾 嘉洋

【男子中量級】

優勝 上川 著芳
二位 竹村 秀敏
三位 福士 寿樹

【男子重量級】

優勝 高崎 史義
二位 加藤 祐一
三位 眞田 雅行

【男子無差別級】

優勝 竹村 秀敏
二位 高崎 史義
三位 上川 著芳

【女子無差別級】

優勝 北村 恭子
二位 羽根田 淳子
三位 片山 絵美子

【敢闘賞】
西久保 大樹、秋葉 勇

 

第2回競技推手
各階級優勝者

 

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–Profile–

葛西眞彦(Masahiko Kasai)(写真右)

かさい・まさひこ。1977年10月26日生まれ、青森県出身。間接護身アドバイザー。

日本在住時は意拳、フルコン空手、杖、剣道、逮捕術、合気道等を修行していた武術歴約30数年の元刑事。現職時代に大病を患い、発作で仕事もままならなくなったことから、漢方治療を受けるため早期リタイヤし台湾へ移住。

1年間の漢方治療を経て発作も収まり、体がある程度動くようになったため、台湾での本格的な中国武術修行を開始。

台湾では、中華民国八極拳教練資格を日本人として初取得、また同様に推手教練資格も日本人として初取得。

台湾で実施される競技推手世界大会を運営する団体に所属し、詠春拳と太極拳、八極拳を修業し、シニアの身の上でありながら、競技推手青年部での中量・重量級チャレンジを続け、優勝・入賞経験を積み重ね、その経験と技術を後進に伝えている。

日本の選手を団体流派の制限を一切問わず、最短の時間と努力で台湾大会に入賞・優勝するために必須の技術と哲学を公開指導。

競技推手大会開催地である台湾に居住し、常に参加選手、参加団体との交流があるからこそできる分析、解析を強みに、熱意のある方に情報を還元。

指導者としてのスキル研鑽にも力を入れ、関わった日本人全員が世界で優勝することを目標にして、指導と修業を並行した研鑽を続けている。

現在は競技推手のみならず、自由推手と養生推手および詠春のチーサオを融合させた、総合的な崩しと打撃へ対応できる技術を研鑽し、独自の境地を見出すための努力を続けている。

最終的には日本に帰国して、素手の崩しと武器の崩し、ランダム性の中で戦えるものを、刑事時代の経験等からも総合的な形でまとめた独自の技術として提唱すべく準備中。

執筆活動も精力的に行なっており、台湾では心理学と人相に関する本を1冊、護身術に関する本を1冊出版。

日本ではwebマガジン「コ2」にて、直接的な攻撃や抵抗の段階に入ることなく、事前に危機を察知、回避することを主体とした「間接護身」という独自の概念を紹介・解説するコラムを書籍化し、応用編を現在執筆中

主な入賞経歴
2016年10月、 台湾世界大会「第六屆世界盃太極與推手錦標賽」第七級(76〜83kg)にて三位入賞(台湾推手大会の入賞としては日本人初)。

2016年12月、 台湾全国大会「第十二屆志堅盃全國太極拳錦標賽」社男第五級(80〜90kg)にて優勝(台湾推手大会の優勝としては日本人初)。

2017年5月、台湾全国大会「第10屆道生盃武術錦標賽-定步推手比賽」第七級(82kg以下)にて優勝。

2017年10月、台湾最大の全国大会である「第7届總統盃全國太極拳錦標赛」青年男子第八級(83〜91kg)にて優勝。

2017年12月、台湾全国大会「第十三屆志堅盃全國太極拳錦標賽-定步推手比賽」第七級(91kg以下)にて2位。

2018年10月、台湾世界大会「第七屆世界盃太極與推手錦標賽」青年男子第七級(76〜83kg)にて2位。

2019年12月、台湾全国大会「第十五屆志堅盃全國太極拳錦標賽」小よく大を制すを体現するため、中量級の体重で最重量級に参加し、110キロ、115キロ、140キロの重量級選手を倒し優勝。

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