コ2イベントプレ企画連載 亮さんともっさんの往復書簡06

| 山上亮、山本加世

8月25日に初めてのコラボ企画を行う、山上亮さん(整体ボディワーカー。以下、亮さん)と、山本加世さん(NPO法人mama’s hug理事長。以下、もっさん)。

本イベントを記念してのプレ企画として、お二人の往復書簡が始まります。

今回のイベントのテーマになぜ、「“慈しみ”からはじまる保健体育」とつけたのか? なぜこの企画をするの? など、ここでしか聞けないお話が続々と登場します。

いよいよイベント直前! ピンときたら是非いらっしゃってください!

 

コ2イベントプレ企画連載

亮さんともっさんの往復書簡

06 もっさんから→亮さんへ 「8/25土のイベントを前に考えたこと」

文・写真提供山本加世

 

女性向けの「自分を慈しむ」講座の風景。「わたし」と「あなた」を互いに慈しむことを、タッチの実践もまじえながら体験していきます
女性向けの「自分を慈しむ」講座の風景。「わたし」と「あなた」を互いに慈しむことを、タッチの実践もまじえながら体験していきます

 

亮さん、お返事ありがとうございます。

「男が察しないから」と、終わりなき夫婦喧嘩に発展するお家も少なからずあるなか、亮さん家のように

「通じないね~」っていうその一言が通じ合えている

というコミュニケーションのありかたって、素敵だなあ。しかもユーミンの曲がきっかけ、ですもの。

喧嘩とまではいかなくても、ある出来事に対して共通の言葉があるっていいですよね。それも「2人しかわからない」ってやつ。

私は夫と、笑いのツボや音楽、趣味が、本当に全く、気持ち良いほど(!)合わないので、2人だけの秘密というほどではないけれど、2人にしかわからない思い出や言葉があるというのは、想像するだにうらやましい状況です。(意外に乙女な性格なのです……お察しの通り)

 

パパとママが慈しみ合う関係が基本

私の仕事、ベビーマッサージをはじめとするママズハグの活動では、「子育てという営み」が真ん中にあります。

だからどうしても、パパ(男)とママ(女)が仲良く慈しみあえる関係でいることが、すべての基本になると考えています。

でも、現実は……これまでの連載でさんざんわたし、書いてきましたけど、男女が理解し合うって、とてもむつかしい。

だからその糸口としてママズハグの講座のなかでは、男女の性差(生物学的なメカニズムも含めて)、知ってもらう機会もとっています。

そして「亮さんも同じなんだ!」とおもったのは、前回のお手紙の、ここです、ここ!

最初にひとつだけ言っておきたいのですが、私が「男」とか「女」と言う場合、必ずしも生物学的な区別とは限りません。(中略)

私の中では男と女というのはきっぱり二分されているものでは無く、グラデーションのような濃淡によって、ぼんやりと混じり合って浮かび上がっているものなんですよね。

LGBTの人たちはもちろんですが、そうでないマジョリティの中にも非常に個性豊かにグラデーションがあると思うんです。

はい。こと性に関しては、多様性を知り、伝える必要があると思っています。

あくまでも多様性を「知る」です。「理解する」のではなく。

 

「知る」と「理解する」の違い

「知る」とはわたしの場合、自分以外の人の考え、感じ方を否定することなく、ただ「へ〜。そうなんだ」って思うことです。

「理解」とは、相手の考えを自分の身に置き換えて、自分の考え方とすり合わせることと認識しています。

たとえば、

「私はグリーンピースが死ぬほど嫌い!口に入れるだけでえづいて(吐きそうになって)しまう」

という人のことを、知ろうとするのならば、

「そうか、嫌いな人もいるよね。じゃあ自分は食べるけど、グリーンピースは食卓に出さないようにするね」

と、穏やかな反応が返せる。

でもその人を「なんとしてでも、理解しなきゃ」とおもったとたん、

「えっ、なんで? こんなに美味しいものが嫌いなの? 信じられない!」

と、ちょっとした反発も生まれやすくなることも。

えーと。食べ物にたとえたことで、わかりにくくなってしまったかもしれないですが(汗)。

他人のことを理解しようとするのは、頭もココロも使う行為なだけに、その分「あなた」の考えを無理に自分のなかですり合わせようとして、結局相手に添えずに苦しくなったりすることもある。

だから「LGBT」においても、理解ではなく、知ることで良いのだと思っています。

基本、自分と違う考え方や感じ方を、「ヘェ〜」とまず、知る。それだけで、知らないがために人を傷つけることが、だいぶ少なくなるのでは? と思っています。

往復書簡02で、中学生の子どもたちに、「慈しみから始まる性教育」について講演をしていることをお話しましたが。

そこでは、LGBTをテーマにした授業もしています。最初はとまどっていた子どもたちが、授業の終わりには「LGBT=性の多様性」について、どんどん眼が開かれていく姿をみるのが、本当にうれしいです。

コホンッ……今回、気合いがはいりすぎて固い内容になったかも……。

 

イベントタイトルの意味とは……

亮さんからの最後の質問は、「学校でふだんおこなわれている保健体育(とくに性教育)には、どんな役割があったらいいのか」でしたよね。

しかも、8/25土の講座「自分も人もすきになるタッチvol.1〜 “慈しみ”からはじまる保健体育」への導入となるような答えを期待すると。ハードルあげてきましたね!

でもこれ、イベントのサブタイトルとも直結する質問です。さすが亮さん!

わたしは、さきほど中学校で性教育を伝える講座で、「LGBT」をテーマにした回もあることをお話ししましたが。

保健体育とは「男」「女」の関係性だけでなく、学校、家庭、社会全てにおいて、人間関係の基本を学ぶ場所だと考えています。

これまでの亮さんとの往復書簡では、夫婦のカタチ(おもに“夫婦喧嘩あるある”でしたが・笑)についてやりとりをしてきましたが、

わたしがこれまで、さまざまな講座で必ず伝えてきたのは

「ルール」「慈しみ」「愛」です。

これって、人間のコミュニケーションのカタチそのものですよね。

8/25土のイベントでは、これまでの講座の例なども取り上げながら、できるだけ具体的にお伝えしていきたいと思っています。

亮さん、そして参加(予定)のみなさん、よろしくお願いいたします!


【イベント告知】
2018年08月25日(土) 13:30〜16:30に、山上亮さんと山本加世さんによるトークイベント「自分も人もすきになるタッチvol.1」が開催されます。詳細やお申し込みはこちらから↓

イベントページ「「自分も人もすきになるタッチvol.1〜 “慈しみ”からはじまる保健体育」開催!」

ふるってご参加ください!

(第6回 了)

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–Profile–

山本加世さん

山本 加世(Kayo Yamamoto
就職後、食べ物に関わる仕事がしたいと一念発起、フードコーディネーターとなる。結婚、出産を経てタッチの大切さを普及すべく、ベビーマッサージのインストラクターに。2006年にNPO法人mama’s hugを設立し、 「100の言葉よりhug」をモットーに、心と身体の知能、脳科学、皮膚科学心理術に基づく【Touch学】を提唱する。2013年にはボストン校を開校。ベビー・キッズ・ガクセイ・オトナ・マタニティといった世代別の講座を開講し、インストラクターを養成している。月刊クーヨンをはじめ、取材多数。

Web site NPO法人mama’s hug(ママズハグ)

 

 

山上亮さん

山上亮(Ryo Yamakami
整体ボディワーカー。野口整体とシュタイナー教育の観点から、人が元気に暮らしていける「身体技法」と「生活様式」を研究。整体個人指導、子育て講座、精神障碍者のボディワークなど、はばひろく活躍中。

著書
『子どものこころに触れる整体的子育て(クレヨンハウス)』
『整体的子育て2 わが子にできる手当て編(クレヨンハウス)』
『子どものしぐさはメッセージ(クレヨンハウス)』
『じぶんの学びの見つけ方(共著、フィルムアート社)』

山上 亮FBページ:https://www.facebook.com/yamakamiryo/