身体と動きの新法則
筋共鳴ストレッチ
第7回 「呼吸のゼロポジションを知る」(後編)
文●扇谷孝太郎
Image: iStock
筋共鳴ストレッチのベースになる、呼吸モードの開発の2回目です。
呼吸モードは、呼吸という運動の過程を、筋肉の使われ方を基準にして段階分けして、それぞれの段階の特性を利用するというアイディアです。
息を最大まで吸ったとき、息を吐き切るとき、自然な呼吸のとき、ゼロポジションのとき、それぞれの段階で使われる体幹の筋肉が変わると、筋共鳴によって反応する手足の筋肉も変化します。
それを把握して動くことは筋共鳴を活かした柔軟性トレーニングを行う上でとても有効です。
前回は呼吸モードの中でもとくに重要な「呼吸のゼロポジション」を把握することと、「背中・腰呼吸タイプ」の呼吸によって背骨が動くことの大切さについて書きました。今回も引き続き、背骨と呼吸についてです。
呼吸モードを読み解く
(3)S字カーブ同士の連動と呼吸
<呼吸と背骨の動きの連動>
背骨は呼吸とともに、ゆるやかに伸びたり縮んだりしています。リラックスしているときに注意深く観察すると、呼吸の動きで背骨が動いているのが感じられるでしょう。
前回ご紹介した、「背中・腰呼吸タイプ」の呼吸を練習したあとは、とくにこの動きが感じやすいと思います。逆に「胸・腹呼吸タイプ」の呼吸のままだと、背骨が固められてしまうので感じにくいかもしれません。
この動きについて、もう少し詳しく見てみましょう。
背中のカーブの大きさは呼吸とともに大きくなったり小さくなったりします。その結果、背骨全体でみると長さが伸びたり縮んだりすることになります。
彎曲した棒を想像してみてください。彎曲が大きくなれば、棒の両端の間の直線距離は短くなります。反対に彎曲が小さくなれば、両端の直線距離は長くなりますね?
彎曲の増減と呼吸との組み合わせは以下ようになります。
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–Profile–

●坂本博美(Hiromi Sakamoto)
パーソナルトレーニングルームh.lab主催。
ダンサーとして活動する中、自分自身の怪我の悩みから脳や視覚から受け取るイメージと、実際に身体に起こっていることとのギャップに気がつき、ボディワークや生理学などについて学び始める。
現在は関東関西の各小学校「姿勢教室」開催、企業や小学生から高齢者まで幅広い年齢層へエクササイズを提供している。
胎生学(キャロル.A)、センサリーアウェアネス(ジュディスウエーバー)、フォーカシングベーシック(日本精神技術研究所)、オステオパスバイオダイナミクス(トムシェーバーD.O.)、DVRT(ダイナミックバリアブルレジスタンストレーニング)、オリジナルストレングス、TRXサスペンショントレーニング、グレイインスティテュート3Dmaps受講。
機能解剖学を扇谷孝太郎(ROLFING®️™️)に師事。
■資格
GYROKINESIS®Level1、GYROKINESIS®Level2、Beginner GYROKINESIS®HappyMoves認定トレーナー
そのほかのメディア活動
日本テレビ「News Zero」、テレビ朝日「たけしの家庭の医学」、ベネッセ、小学館冊子記事掲載、東京新聞掲載、SONPOひまわり生命保険株式会社(トレーニングエクササイズ提供)、テルモ株式会社(トレーニングエクササイズ提供)

●扇谷孝太郎(Kotaro Ogiya)
大学院在学中に演出家竹内敏晴氏の「からだとことばのレッスン」に出会い、身体と身体表現についての探求を始める。2001年、ロルファー™の資格を取得し公務員からボディワーカーに転身。現在は恵比寿にてロルフィング®を中心に、クラニオセイクラルやソマティック・エクスペリエンス®などの個人セッションを行う。 ヨガやバレエスタジオでの定例セミナーでは、身体のメカニズムのほか、呼吸や感覚、イメージの活用を独自の視点でまとめた「動くための解剖学」を教える。その内容はダンサーやヨギなど、柔軟性と身体バランスを必要とする人々から高い支持を得ている。また「からだと息で読む朗読」講座では、朗読という表現手法をとおして「共鳴を生む身体の育て方」を探求中。
●米国The Rolf Institute認定アドバンストロルファー
●米国The Rolf Institute認定ロルフムーブメントプラクティショナー
●クラニオセイクラルプラクティショナー
●ソマティック・エクスペリエンシング®︎認定プラクティショナー
●JMET認定EFTプラクティショナー