間接護身アドバンス 第四回 自棄の人

| 葛西真彦
introduction

2019年5月の刊行以来、ご好評いただいている『本当に大事なものを護りたい人が知っておくべきこと 間接護身入門』。元刑事の立場から、自分や家族の身を護るためであっても、「対処を誤れば被害者である自分が罪に問われる」という現実を改めて突きつけた内容は、よりリアルな護身を求める多くの方の注目を集めました。

この連載では、前著『間接護身入門』をさらに進めた内容を目指し、より具体的に危機を回避する方法として、著者・葛西真彦氏が現役刑事時代に実際に使っていた人相術、読心術、筆跡術を中心に、その具体的な使い方を紹介していきます。

元刑事の武術家が教える、本当に役に立つ術

間接護身アドバンス

第四回 自棄の人

葛西真彦

 

無敵の人に非らず

ここで話を進める前に、もう一つ忘れてはいけないのが、いわゆる「無敵の人」の存在です。

2019年は悲惨な通り魔事件が幾つも起きました。なかでも川崎で起きたバスを待つ小学生を狙った通り魔事件やアニメーションスタジオ・京都アニメーションの放火事件は一際痛ましく、日本はもちろん世界に衝撃を与えました。

こうした事件が起きるたびに話題に上るのが「無敵の人」という言葉です。

大意は「無職で引きこもりを長年続け、責任も守る者もない、失うものが何もない人」というものです。

私はこの言葉に違和感があり、変更したいと思っています。

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–Profile–

葛西眞彦(Masahiko Kasai)(写真右)

かさい・まさひこ。1977年10月26日生まれ、青森県出身。間接護身アドバイザー。

日本在住時は意拳、フルコン空手、杖、剣道、逮捕術、合気道等を修行していた武術歴約30数年の元刑事。現職時代に大病を患い、発作で仕事もままならなくなったことから、漢方治療を受けるため早期リタイヤし台湾へ移住。

1年間の漢方治療を経て発作も収まり、体がある程度動くようになったため、台湾での本格的な中国武術修行を開始。

台湾では、中華民国八極拳教練資格を日本人として初取得、また同様に推手教練資格も日本人として初取得。

台湾で実施される競技推手世界大会を運営する団体に所属し、詠春拳と太極拳、八極拳を修業し、シニアの身の上でありながら、競技推手青年部での中量・重量級チャレンジを続け、優勝・入賞経験を積み重ね、その経験と技術を後進に伝えている。

日本の選手を団体流派の制限を一切問わず、最短の時間と努力で台湾大会に入賞・優勝するために必須の技術と哲学を公開指導。

競技推手大会開催地である台湾に居住し、常に参加選手、参加団体との交流があるからこそできる分析、解析を強みに、熱意のある方に情報を還元。

指導者としてのスキル研鑽にも力を入れ、関わった日本人全員が世界で優勝することを目標にして、指導と修業を並行した研鑽を続けている。

現在は競技推手のみならず、自由推手と養生推手および詠春のチーサオを融合させた、総合的な崩しと打撃へ対応できる技術を研鑽し、独自の境地を見出すための努力を続けている。

最終的には日本に帰国して、素手の崩しと武器の崩し、ランダム性の中で戦えるものを、刑事時代の経験等からも総合的な形でまとめた独自の技術として提唱すべく準備中。

執筆活動も精力的に行なっており、台湾では心理学と人相に関する本を1冊、護身術に関する本を1冊出版。

日本ではwebマガジン「コ2」にて、直接的な攻撃や抵抗の段階に入ることなく、事前に危機を察知、回避することを主体とした「間接護身」という独自の概念を紹介・解説するコラムを書籍化し、応用編を現在執筆中

主な入賞経歴
2016年10月、 台湾世界大会「第六屆世界盃太極與推手錦標賽」第七級(76〜83kg)にて三位入賞(台湾推手大会の入賞としては日本人初)。

2016年12月、 台湾全国大会「第十二屆志堅盃全國太極拳錦標賽」社男第五級(80〜90kg)にて優勝(台湾推手大会の優勝としては日本人初)。

2017年5月、台湾全国大会「第10屆道生盃武術錦標賽-定步推手比賽」第七級(82kg以下)にて優勝。

2017年10月、台湾最大の全国大会である「第7届總統盃全國太極拳錦標赛」青年男子第八級(83〜91kg)にて優勝。

2017年12月、台湾全国大会「第十三屆志堅盃全國太極拳錦標賽-定步推手比賽」第七級(91kg以下)にて2位。

2018年10月、台湾世界大会「第七屆世界盃太極與推手錦標賽」青年男子第七級(76〜83kg)にて2位。

2019年12月、台湾全国大会「第十五屆志堅盃全國太極拳錦標賽」小よく大を制すを体現するため、中量級の体重で最重量級に参加し、110キロ、115キロ、140キロの重量級選手を倒し優勝。

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