連載 セルフタッチング入門 第4回 「やすらぎ」と「心地よさ」、リラクセーションのしくみ

| 中川れい子

 自分に触れる「セルフタッチング」はもちろんのこと、触れることにより、受け手の方との静かな時間を共有する「タッチケア」では、リラクセーションの効果がもたらされます。

 ではこのリラックスとは、どのようなしくみでもたらされるのでしょう?

 第4回では、脳・神経系、ホルモンといった、からだの中で起きるメカニズムを解説します。また、このリラクセーション効果をもたらす「セルフタッチング」を、がん患者会で実践している事例も紹介します。

Image: iStock

わたしに触れる、コロナ時代のタッチケア

セルフタッチング入門

 

第4回 「やすらぎ」と「心地よさ」、リラクセーションのしくみ

中川れい子

 

リラクセーションをうながす「タッチケア」

セルフタッチングを体験してくださった方、タッチケアの施術を受けてくださった方から一番よくお聞きする感想は、なんといっても「あぁ、気持ちがいい」「リラックスします」という言葉です。ではこの“気持ちよさ”、“リラックス”とは、一体何なのでしょうか?

その前にまず、「タッチケアとは何か?」について、お話をさせてください。

かつての日本では「タッチケア=ベビーマッサージ」を指していました。ですが、この10年ほどの間で徐々に、看護・介護・家族間ケアといった、「対人援助の現場での触れるケア」の総称として、この言葉が定着し始めています。

タッチケアの特性として、以下のことが挙げられます。

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–Profile–

中川 れい子(Reiko Nakagawa

NPO法人タッチケア支援センター 代表理事、<身(み)>の医療研究会理事、こころとからだのセラピールーム amana space 代表。エサレン®ボディワーク認定施術者。

兵庫県生まれ。関西学院大学文学部卒業後、塾・予備校等の教育産業に従事(主に大学受験の日本史を担当)。1995年の阪神淡路大震災で被災後、現地ボランティアとして被災の現場にあたる中、からだを通してのこころのケアと癒しの必要性を痛感し、1998年よりボディワーク、ボディサイコセラピー、ソマティクス、カウンセリング、カラーセラピー、各種ヒーリング等を学び始める。1999年に、日本で最初に開催されたエサレン®ボディワーク認定コースに参加。その後、認定プラクティショナーとして関西の自宅で開業。ひたすらにセッションを積み重ねる中、非侵襲的な、ソマティクス・ベースの“タッチ”の癒しの可能性を痛感し、2011年に、NPO法人タッチケア支援センターを設立。「やさしくふれると世界はかわる」をテーマに、タッチケアの普及・教育・研究・ボランティア活動を開始し、家族間ケアや、看護・介護等の対人援助に活用できる「こころにやさしいタッチケア」を講座を開講。並行して、エサレン®ボディワークや、ローゼン・メソッド、米国ホスピタル・ベイスド・マッサージの公認講師を日本に招き、講座のオーガナイズもおこなう。

現在は、修了生と共に高齢者施設・がん患者会・緩和ケア病棟・産科病棟等での施術活動や、うつ病の回復期の方の就労支援センターや発達障害の方の地域支援センター等で、セルフタッチングのワークショップを開催。また、各種教育機関や福祉施設での出張講座も請け負う。エサレン®ボディワークを中心とする個人セッションも継続中。

website:NPO法人タッチケア支援センター(http://touchcaresupport.com)
website:こころとからだのセラピールーム amana space(http://www.amanaspace.com/about_amanaspace.html)