連載 セルフタッチング入門 第5回 皮膚に残る“原初の記憶”とは

| 中川れい子

 人に触れられたときに感じる、やわらかで、あたたかで、包まれるような感覚は、実は子宮の中での体験が一番の始まりだった!?

 今回は「タッチケアの心地よさは、どこから始まるの?」という、“原初の記憶”についてです。この記憶をたどる中からわかる、タッチの根源的な必要性についてまとめました。

Image: iStock

わたしに触れる、コロナ時代のタッチケア

セルフタッチング入門

 

第5回 皮膚に残る“原初の記憶”とは

中川れい子

 

発生学から見る、“最初のタッチ”はいつから?

わたしたちの皮膚はいつから、「触れられる」という体験をもつのでしょうか?
それは、実は子宮の中から始まっています。今回は“子宮を巡るタッチの旅”からお話をはじめましょう。

まず、赤ちゃんが産まれるまでの経過を、ひも解いてみましょう(高校の生物のおさらいとして。難しいと思ったら、読み飛ばしていただいても大丈夫ですよ!)。

ヒトは、精子と卵子が出会うことで「受精卵」になります。この受精卵は子宮壁に着床したあと、細胞分裂を繰り返しながら、外胚葉・内胚葉・中胚葉という3つのパートに分かれ、そこからさまざまな体の器官が発達していきます。
このうち外胚葉からは、脳や神経、そして皮膚ができます。このように、皮膚、脳、神経は同じ起源をもっていることから、「皮膚は露出した脳」と呼ばれることもあります。

さらに、脳(中枢神経系)が発達するにつれ、だいたい妊娠32週目までには全身の皮膚感覚が働きはじめ、聴覚も発達して、お母さんの声などを判別できるようになってきます。

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–Profile–

中川 れい子(Reiko Nakagawa

NPO法人タッチケア支援センター 代表理事、<身(み)>の医療研究会理事、こころとからだのセラピールーム amana space 代表。エサレン®ボディワーク認定施術者。

兵庫県生まれ。関西学院大学文学部卒業後、塾・予備校等の教育産業に従事(主に大学受験の日本史を担当)。1995年の阪神淡路大震災で被災後、現地ボランティアとして被災の現場にあたる中、からだを通してのこころのケアと癒しの必要性を痛感し、1998年よりボディワーク、ボディサイコセラピー、ソマティクス、カウンセリング、カラーセラピー、各種ヒーリング等を学び始める。1999年に、日本で最初に開催されたエサレン®ボディワーク認定コースに参加。その後、認定プラクティショナーとして関西の自宅で開業。ひたすらにセッションを積み重ねる中、非侵襲的な、ソマティクス・ベースの“タッチ”の癒しの可能性を痛感し、2011年に、NPO法人タッチケア支援センターを設立。「やさしくふれると世界はかわる」をテーマに、タッチケアの普及・教育・研究・ボランティア活動を開始し、家族間ケアや、看護・介護等の対人援助に活用できる「こころにやさしいタッチケア」を講座を開講。並行して、エサレン®ボディワークや、ローゼン・メソッド、米国ホスピタル・ベイスド・マッサージの公認講師を日本に招き、講座のオーガナイズもおこなう。

現在は、修了生と共に高齢者施設・がん患者会・緩和ケア病棟・産科病棟等での施術活動や、うつ病の回復期の方の就労支援センターや発達障害の方の地域支援センター等で、セルフタッチングのワークショップを開催。また、各種教育機関や福祉施設での出張講座も請け負う。エサレン®ボディワークを中心とする個人セッションも継続中。

website:NPO法人タッチケア支援センター(http://touchcaresupport.com)
website:こころとからだのセラピールーム amana space(http://www.amanaspace.com/about_amanaspace.html)