連載 セルフタッチング入門 第7回 セルフタッチをはじめる前に(後編)〜「ゆらぎ」に気づく

| 中川れい子

 前回、第6回では、セルフタッチングに必要な「からだへの気づき(awareness)」をテーマにお伝えしました。後編では、セルフタッチングに必要なもうひとつの要素である「ゆらぎ」について、その感じ方のミニワークとあわせて紹介します。

 さらに、セルフタッチングを生み出すもととなった「エサレン®ボディワーク」での、中川さんの「ゆらぎ」体験もお話しします。

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わたしに触れる、コロナ時代のタッチケア

セルフタッチング入門

 

第7回 セルフタッチをはじめる前に(後編)〜「ゆらぎ」に気づく

中川れい子

 

自然界にも、からだにも「ゆらぎ」がある

前回の第6回では、セルフタッチングに必要なこととして、以下のことをお話してきました。

  • からだ全体を丸ごと(ホリスティックに)とらえ、全身をつなげるように触れていくこと。
  • 「今、ここ」の気づきを大切にすること。
  • 身体感覚=からだへの気づき(awareness)、直接的な体験を大切にすること。
  • からだの内側から私自身を感じる、一人称の感覚を大切にすること。
  • 感覚が変化するのを受け入れること。

ここでさらにもうひとつ、加えたいものがあります。それは「ゆらぎ」を感じることです。

「ゆらぎ」とは、とても説明のしにくい言葉ですが、まずは意味にとらわれすぎず、直感的にこの言葉を味わっていただければと思います。波、動き、感情の変化、あるいは周波数やバイブレーションといった、近しい言葉をイメージしていただいてもよいかもしれません。

自然界には様々な「ゆらぎ」があります。揺れる炎や湖面のさざ波を眺める、波の音や樹々を揺らす風の音を聞くなど、いろいろな場面で、心が落ち着き穏やかな気持ちになる体験をされた方も多いことでしょう。自然界がもたらす不規則なゆらぎは「f分の1のゆらぎ」とも呼ばれ、神経系への癒し効果や、からだのリラクセーションを導いてくれることが、科学的にも証明されています。

こうした自然界の「ゆらぎ」は、不規則でありながらどこか調和が感じられ、まるで自然と私がひとつながりであるかのように感じられることがあります。

私たちの存在そのものが自然の一部であり、生命そのものでもあることを思い出してみましょう。つまり、自然界に「ゆらぎ」があるように、私たちのからだのなかにも「ゆらぎ」があります。呼吸のゆらぎ、心拍のゆらぎ、あるいは脳波のパターンなど…さまざまな生命活動は、それぞれ固有のリズムをもちながら体内で重なり合い、影響し合っているのです。

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–Profile–

中川 れい子(Reiko Nakagawa

NPO法人タッチケア支援センター 代表理事、<身(み)>の医療研究会理事、こころとからだのセラピールーム amana space 代表。エサレン®ボディワーク認定施術者。

兵庫県生まれ。関西学院大学文学部卒業後、塾・予備校等の教育産業に従事(主に大学受験の日本史を担当)。1995年の阪神淡路大震災で被災後、現地ボランティアとして被災の現場にあたる中、からだを通してのこころのケアと癒しの必要性を痛感し、1998年よりボディワーク、ボディサイコセラピー、ソマティクス、カウンセリング、カラーセラピー、各種ヒーリング等を学び始める。1999年に、日本で最初に開催されたエサレン®ボディワーク認定コースに参加。その後、認定プラクティショナーとして関西の自宅で開業。ひたすらにセッションを積み重ねる中、非侵襲的な、ソマティクス・ベースの“タッチ”の癒しの可能性を痛感し、2011年に、NPO法人タッチケア支援センターを設立。「やさしくふれると世界はかわる」をテーマに、タッチケアの普及・教育・研究・ボランティア活動を開始し、家族間ケアや、看護・介護等の対人援助に活用できる「こころにやさしいタッチケア」を講座を開講。並行して、エサレン®ボディワークや、ローゼン・メソッド、米国ホスピタル・ベイスド・マッサージの公認講師を日本に招き、講座のオーガナイズもおこなう。

現在は、修了生と共に高齢者施設・がん患者会・緩和ケア病棟・産科病棟等での施術活動や、うつ病の回復期の方の就労支援センターや発達障害の方の地域支援センター等で、セルフタッチングのワークショップを開催。また、各種教育機関や福祉施設での出張講座も請け負う。エサレン®ボディワークを中心とする個人セッションも継続中。

website:NPO法人タッチケア支援センター(http://touchcaresupport.com)
website:こころとからだのセラピールーム amana space(http://www.amanaspace.com/about_amanaspace.html)