2017年に日貿出版社より『ビル・ロビンソン伝 キャッチ アズ キャッチ キャン入門』を上梓した現役プロレスラーの鈴木秀樹さん。鈴木さんは“人間風車”の異名を持つ、名レスラー・ビルロビンソン氏より、キャッチ アズ キャッチ キャン(以下、CACC)と呼ばれる、プロレスの源流ともいえるレスリングを学び、現在フリーのレスラーとして、様々な団体で活躍しています。
そこでコ2【kotsu】では、『キャッチ アズ キャッチ キャン入門』の出版記念集中連載として、鈴木さんにビル・ロビンソン氏とCACCについてお話しを伺いました。
第一回目の今回は、伝説的な存在「蛇の穴」ことビリー・ライレー・ジムからお話しが始まります。
※本記事は2017年2月8日にWEBマガジンコ2【kotsu】に掲載されたものを一部改訂して再アップしたものです。
『エクレアと人間風車』
第一回 僕の師匠、ビル・ロビンソン
語り●鈴木秀樹
構成●コ2【kotsu】編集部
デビュー前のビル・ロビンソン
僕にキャッチ アズ キャッチ キャン(以下CACC)を教えてくれたビル・ロビンソンは若かりしころ、ビリー・ライレー・ジムでCACCの練習をしてました。
今となっては伝説的なジムですが、ロビンソンに聞いたことがあるんです。「どんなジムだったんですか?」って。すると笑って「ジムって言っても、ただの小屋だぞ」と。
トタンのペラペラのシートみたいなマットが敷いてあって、2組も練習したら他の人は何もできないくらいの狭さ。大勢いる時は「ジムの前の芝生でやった」って言ってましたよ。だから終わると芝生でこすれて痒かったそうです(笑)。今あるような格闘技のジムに比べたら全然悪い環境ですね。
YouTubeにビリー・ライレーが帽子をかぶってスーツ姿で教えてる動画がありますよ。(https://www.youtube.com/watch?v=wqq_LWudBek)。
ジムに来た生徒達が玄関にいるライレーに授業料を渡したりしてます(動画1分50秒付近)。詳しい値段は分かりませんけど、映像で見る限りは教え方はロビンソンと同じですよね。まず、とにかくしつこい。それとガッといかなきゃいけない時ってあるじゃないですか。よく「エクスプロージョン(爆発)!」と言われましたけど、押さえ込みなら押さえ切る、投げるなら投げ切るというキワのところ。そこで大声を出して指導するのは似てるな、と。
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