トークイベント01 山口 創×有本匡男「触れよう、タッチの力」開催!

| コ2編集部

コ2【kotsu】トークイベント01

山口 創×有本匡男「触れよう、タッチの力」開催!

文・写真コ2編集部

 

山口先生、有本先生
山口創先生(右)、有本匡男さん(左)

 

誰もが癒やす力を持っている

有本さんからはまず、「タッチ」を対談のテーマにした理由として、現代社会は人に触れる機会が少なくなったために、もともと誰もが「人を癒す力=セラピストの種」をもっていることが忘れ去られてしまっている、というお話がありました。

そこで……と、参加者がペアになり、イスに座った相手の肩に“ただ触れる”というワークを。ただ手をおくだけなのに、ワーク後は少し緊張感のあった会場の空気が一気に、やわらかいものになりました。「温泉に入ったあとみたい、ほぐれる」と笑顔になる参加者もいました。

肩に手をおいて「ただ触れる」だけのワーク。

 

癒やしの鍵は“オキシトシン”!?

次に山口先生からは、「タッチ」することでからだに何が起きるか、という解説がありました。

近年、人が触れあうことで、愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」が脳からでることが、一般にもよく知られるようになっています。

このオキシトシンは、人への信頼感や愛着、幸福感を醸成させるホルモンで、スキンシップをするとストレスへの耐性が高くなったり、痛みを軽くしてくれるなどの効果があるといいます。

オキシトシンの効果について解説する山口先生。

 

ただし…「オキシトシンの効果は、“心のもちかた”がとても大事だと考えています」と山口先生。

海外の研究だそうですが、ふだんスキンシップのない夫婦が「じゃあ今日から、私たちも!」といきなり行っても、オキシトシンがでなかったり、逆にストレスが高まってしまう、という結果もあるとか。これには参加者のみなさんも、思わず苦笑い。

また話題の「ヒモトレ」を、“触れる”観点からみるとどうなるか? というので、山口先生が体験される一コマもありました。

有本さん
「ヒモトレは器具として、いつでも、どこでもできて効果も見えやすい」と語る有本さん。

 

参加者の方からは、

「“タッチ”という一つのテーマについて、いろいろな切り口があることが、お二人の話から伝わってきました。面白かった。こういうクロストーク、今後もぜひ聴きたいです」

との感想もありました。

この対談の模様は、「タッチ」をテーマにした新連載(現在、企画中)のなかで詳しく紹介していく予定です。どうぞお楽しみに!

 

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–Profile–

山口 創(Hajime Yamaguchi
桜美林大学教授/臨床発達心理士。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は、健康心理学、身体心理学。聖徳大学人文学部講師を経て、現職。肌のふれ合い(スキンシップ)が心に与える影響を研究し、日本のタッチ研究の第一人者として知られる。
著書に『幸せになる脳はだっこで育つ。強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法』『子供の「脳」は肌にある』『皮膚感覚の不思議』など多数。
Web site 山口研究室のホームページ

有本匡男(Masao Arimoto
teateセラピスト。幼少期に、仏教の考えに触れ、「幸せとは」について考え始める。2002年よりセラピストとして活動を開始、同時にヨガ、哲学を学び始める。2007年より「teate(てあて)セラピー」を始める。現在は講演、ワークショップを通じて、「teateセラピー」やホリスティックヘルスケアの普及につとめている。
Web site​ ホリスティックヘルスケア研究所