コ2【kotsu】特別インタビュー 著者・松下タイケイ氏に訊く「ケトルベルの魅力とその効果」

| コ2【kotsu】編集部

 

膝の痛みが消えた!

コ2 実際に試してみてどうでしたか?

松下 ビデオを見ながら見よう見まねで振っているうちに、それまで痛かった膝が痛くなくなったので驚きました。あと身長も5ミリくらい伸びて、“これはいいな!”と思いました。特に姿勢が良くなったことが嬉しかったですね。当時は膝の痛みがかなりしんどくて、電車で立っているのも辛くてドアに寄っかかっていたので。

コ2 そんなに膝が悪かったのですか。

松下 アメリカンフットボール時代に人間が一人膝の上に乗ってきたこともありますし、靱帯も切ったりしてましたから。

コ2 そんな状態でケトルベルを振って膝が良くなるのは何故でしょう?

松下 膝の怪我自体は変わらないのですけど、身体の連動パターンが変わったんだと思います。それまでは足・膝の前側を連動させて膝の曲げ伸ばしをしていたものが、ケトルベルを振ることで膝の裏側の連動で身体を動かすようになったんですね。特に膝を曲げるという意識から、お腹の力で膝を挙げて膝蹴りをするような感覚で動かすと、膝に力がこもらなくなるんです。意識の違いだけで身体の使い方が変わって、膝への負担が変わったんだと思います

コ2 それは特に膝を意識してケトルベルを振ったからでしょうか?

松下 いえ、普通に振っている中で自然に変わったことですね。

コ2 あくまでも基本通りケトルベルを振るなかで変わったわけですか。

松下 そうです。ただ最初は12キロを二つ買って、20キロ、24キロ、32キロと増やしていくうちに、やっぱりテクニックが悪かったので身体を痛めてしまいました。

コ2 それは?

松下 軽いものならよかったのでしょうが、やはり32キロクラスの重いものになると、自己流の限界がきたのですね。それで、アメリカのケトルベルのネットコミュニティーに、「誰か日本で教えてくれる人はいませんか?」と訊ねたところ、「俺、来月日本に行くよ」という返事があって。それがケン・ブラックで、いまでも交流のある大恩人です。ただケンが滞在するのが奈良県だったので、車のトランクにケトルベルを入れて東京から訪ねて行きました(笑)。

コ2 その時はしばらく習ったわけですか?

松下 いえ、仕事もあったので翌日には東京に帰らなければならなかったので習えた時間は2時間でした(笑)。

コ2 それはまた強行軍ですね!

松下 8時間車を運転して、2時間習って、翌日の午前中には東京に向かっていました(笑)。ただとても丁寧に教えてくれて、「基本は悪くないから、ここに注意して」という感じで、うまく修正できましたので助かりました。練習していたら天理高校でウェイトリフティングをしている高校生が寄ってきて32キロを上げたりして楽しかったですね(笑)。それからもケンとは連絡を取り合って、動画を見てもらって意見交換をしたりして、ずっと無償で付き合ってくれて本当に感謝しています。

日本人初ケトルベルインストラクターになった切っ掛け

コ2 なぜインストラクターになろうと思ったのでしょう?

松下 クラヴマガで一緒に稽古していたA田さんという方に「インストラクターの資格を取ったら?」と言われたのが切っ掛けで、「それもいいかな」と思って(笑)。ですからケンと会ったときには、そうしたインストラクターコースについても聞きました。

コ2 そうだったんですか。実際ケトルベルのインストラクターコースというのはどのようなものなのでしょう?

松下 私が初めて参加したのはミネソタ州のセントポールに拠点がある、RKCという団体のインストラクターコースで2007年の6月でした。受講者は50人くらいで、当時はアメリカ人がほとんどでした。認定コースが始まったのが2001年でアメリカでもやっとケトルベルが認知され始めた頃でしたね。

コ2 実際にどんなことを学ぶのでしょうか?

松下 コースは3日間で、まず基本種目を念入りに行って、それが出来るようだったらテクニックを学ぶという感じですね。初日にはテストもあって、早朝に24キロのケトルベルでスナッチを左右の手で一回ずつ持ち替えるというもので、私の時は64回行いました。

コ2 大変ですね。

松下 ええ。ただ事前にケンから聞いていたので念入りに練習していったので大丈夫でした(笑)。面白かったのは地元の人達を100人以上集めて、受講者が無料でケトルベルを教えことです。その様子を指導員インストラクターがチェックして、受講者がどのくらいケトルベルトレーニングを理解して、相手の力量を見て適切に指導できるのかを確認するわけです。

コ2 事前に指導方法もレクチャーされているわけですね。

松下 そうです。その上で最終日に合否判定があって、幸い私は受かりました。落ちてもその日から三ヶ月以内であればビデオで再トライも受け付けていましたね。

コ2 その辺りはアメリカらしく合理的ですね。インストラクターにも区別があるのでしょうか?

松下 はい。レベル1、レベル2という二つのレベルがあり、あとは団体から報酬をもらえる指導インストラクター、“チーム・リーダー”や“シニアインストラクター”、そして”マスターインストラクター”と呼ばれる人達ですね。これはごく少数です。私はレベル2のインストラクターです。団体自体は色々あって当初のRKCから現在のSFGへ移っています。

 

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–Profile–

松下さん プロフィール松下タイケイ(Taikei Matsushita
1969年8月30日生まれ。幼少期から高校時代までを日本国内と海外を往復しながら送る。アメリカの高校と日本の大学でアメリカンフットボールをし、後に社会人クラブチームで8年ほど指導をする。プログラマー、システム・エンジニアの職に就いていたが、過去の怪我等に起因する身体の歪みを覚え、改善法を模索する中、2004年にケトルベルに出合い、独自にケトルベル。トレーニング開始する。2006年に公認ケトルベル・インストラクターに就いてケトルベルを習得し、2007年6月、RKC(Russian Kettlebell Challenge)ケトルベル・インストラクター資格を取得し、日本人で初の公認ケトルベル・インストラクターになる。以来、アメリカ、ハンガリー、韓国のインストラクター・コースへ受講生やアシスタントとして参加するなど、海外を飛び回る。2013年、認定インストラクターのパベル・ツァツォーリンが新たにSFG(Strong First Girya)を設立したことに伴って移籍し、SFGレベル2インストラクター資格の認定を受ける。自身の指導実績としては、これまで50回以上のワークショップを行い、クラスや個人指導含め数百人に教えている。また、海外(ベトナム)へも指導へ赴いている。
現在、ケトルベル・ストレングスを主宰。東京を拠点に、定期クラスやワークショップを開催するとともに、ケトルベルなどのトレーニング器具の販売を行う。また、スポーツや格闘技の分野で、国内外の雑誌等で執筆活動も行っている。

ケトルベルショップ「ケトルベル&ストレングス・ジャパン」

公式Web site: http://www.kettlebell.jp/
ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/renegaderow
動画 :https://www.youtube.com/user/kettlebellinjapan

ケトルベル マニュアル