2020年初頭から現在(2020年12月)に到るまで、世界的災厄としてその名を聞かない日はないコロナウイルス(COVID-19)。
ようやく待望のワクチンが登場する一方で、そもそも論としてコロナが発症するかしないかに大きく関わる免疫力に注目が集まっています。
そこで本連載では、コ2で「やさしい漢方入門・腹診」を連載された平地治美先生に、漢方からできるコロナ・感染症対策をご紹介いただきます。
やさしい漢方入門
漢方で免疫力アップ! コロナ・感染症対策
第六回 「ここで食い止める!勝負どころの陽明病」
文●平地治美

『傷寒論』の六病期について
今回からは『傷寒論』の六病気で2番目に登場する「陽明病」についてお話ししたいと思います。
病との戦いの始まりである、太陽病の段階を超えて、徐々に深刻さが増してくる段階です。
ところで、連載第三回で「傷寒は次の6つのステージ」と紹介したことを覚えてますでしょうか?
- 太陽病
- 陽明病
- 少陽病
- 太陰病
- 少陰病
- 厥陰病
『傷寒論』に書かれている順番通りだと「陽明病」は2番目に登場するのですが、実際の臨床ではその通りでないこともよくあります。
理由はそれぞれの人の体質が違うことや、治療法を間違えて病がこじれたり、外邪の勢いの強弱など、その原因はさまざまです。
また、体が弱って自然治癒力が低下している場合、特に 高齢者や虚弱な体質な方はいきなり少陰病あたりからスタートすることもありるのです。
そこで今回は、改めて漢方の病の進行に対する考え方を紹介するとともに、陽明病について説明していきたいと思います。
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–Profile–
●平地治美(Harumi Hiraji)
1970年生まれ。明治薬科大学卒業後、漢方薬局での勤務を経て東洋鍼灸専門学校へ入学し鍼灸を学ぶ。漢方薬を寺師睦宗氏、岡山誠一氏、大友一夫氏、鍼灸を石原克己氏に師事。約20年漢方臨床に携わる。和光治療院・漢方薬局代表。千葉大学医学部医学院非常勤講師、日本伝統鍼灸学会学術理事。漢方三考塾、朝日カルチャーセンター新宿、津田沼カルチャーセンターなどで講師として漢方講座を担当。2015年1月『やさしい漢方の本 舌診入門 舌を見る、動かす、食べるで健康になる! 』『やさしい漢方の本 腹診入門』『漢方薬剤師が教える 薬のキホン』(日貿出版社)出版。
著書
『漢方薬剤師が教える 薬のキホン』(日貿出版社)
『やさしい漢方の本 腹診入門(日貿出版社)
『やさしい漢方の本 舌診入門 舌を見る、動かす、食べるで 健康になる(日貿出版社)』、『げきポカ』(ダイヤモンド社)

